27時間に凝縮された「ニコマス」の世界 - 『アイマス新年会』
前回同様わけがわからないほど楽しい27時間(+α)の後にグランドフィナーレを迎えた『アイマス新年会〜27時間無礼講SP〜』。リアルタイムで全て追っていた猛者はさすがにそれほど多くないと思うので、昨日今日と見逃した動画をフォローする人、時間全然無いけど最低限いくつかは見ておこうと巡回してる人などなど、まだまだ現役で再生してる人も多いでしょうねー。
「新年会とか知らん。なんか大量にUPされてるのはわかるけどコレなんなのよ?」という方は、
天然P主催のアイドルマスターMADの企画。
「24時間アイマスTV!(愛M@S24)」と同様、テレビの大型特番を模した企画になっている。今回はVOCALOIDや歌ってみたなどアイマス外の動画製作者を加え、総参加人数240人以上という過去最大規模の祭りとなった。元々の予定では12時間だったはずが、気がつけば15時間延びて27時間になってしまった。(wikiのURLに名残がある)
im@s新年会とは (アイマスシンネンカイとは) - ニコニコ大百科
大百科にて綺麗に概要がまとめられてるので、そちらを参照していただければ。
さらに詳しくは、専用のWikiもありますのでそちら参照。
要するに半年前に開催された「24時間アイマスTV!」の第二回ですね。
こちらが僕が書いた前回のまとめ記事。この時点でかなり練られたシステムの祭りになっており、今回も基本的なやり方は前回を踏襲しています。もちろん祭りの楽しさも同レベルかそれ以上にきっちりと受け継いでね。
ん? 2回目だしやっぱ多少はインパクトが薄れてるんじゃないか? いやいやいやいや、前回の24時間ぶっ続けの祭りがあそこまで大成功すると予測できた人どれほどいます? 少なくとも僕は予測不能でしたよ。
今回はその無謀な企画を成功させた人々が送る2回目ですぜ。経験済みだからこその圧倒的な安心感があるし、複数のサプライズを仕掛ける余裕もある。そして、何より前回の大成功の影響でじゃんじゃん集まった面子の強烈さときたら! まさにニコマスオールスターと言って差し支えないでしょう。
最初は「今回は12時間」とか言ってたのに、結局参加希望者多すぎで27時間番組化、最終的に関わった人数240人以上(前回は108人+α)という。けっこうはやめに予想は付いてたことですが、自重しないにもほどがある(笑)。
そんな方々がきっちり準備して、宣伝して、全力全開でバカ騒ぎするってんだから、そりゃーもう楽しいに決まってますって。
27時間というとそうとう長く感じるでしょうけど……この27時間は約2年間の月日をかけて深く、広く、異形の発展を遂げてきた『ニコマス』という文化が、限界まで凝縮された時間です。そう考えるとむしろ短いくらいだと思いません?
この祭りの後に僕が覚えた感情は、グランドフィナーレ動画の最後の最後に流れた言葉と全く同じでした。
「今年も一年、皆とバカ騒ぎできますように・・・」
ありがとうございました!
……とまあ、なんか綺麗にまとめてしまいましたが、具体的な内容にはちっとも触れちゃいねえので、以下で個人的に注目のトピックを軽くまとめます。
さすがに多すぎて印象に残ったこと全部書くのは無理だけど、なるべく頑張る!
『まっすぐ』、あまりの多用に擬人化
『まっすぐ』とはアイドルマスターのED曲であり、転じて
……このような使い方をされるようになった曲なのですが、TV番組風、ストーリー系、ネタ動画などが多くなるアイマス新年会では正しい意味でも万能説にのっとった意味でも当然のごとく多用されまくり*1、「おい、またまっすぐかよ!!www」という反応が開始数時間でコメントされまくっていました。
エンディングに「まっすぐ」をBGMにすると・・・
いい話になったよ!ふしぎ!●まっすぐの使い方
1. 動画を作る。
2. 「まっすぐ」をBGMにスタッフロールを挿入する。
3. スタッフロールの最後に「 And You !! 」をつける。
4. ( ;∀;) イイハナシダナー or (;´Д`)俺らを巻き込むなw
このように、最初のうちはまだ普通の突っ込みだったわけですが、新しい動画が発表されるたびに『まっすぐ』使用回数はどんどん増えていき、そのうち自然と人々の心に『まっすぐ』への尊敬の念が芽生え始めたのです。
そして『まっすぐ』を聞いたときの反応は次第に変化していき……
1.「おい、またまっすぐかよ!」「イイハナシダナー」「だまされると思うなよ!」
2.「さすがに酷使しすぎじゃないか?」
3.「まっすぐさんはもう限界だ!」「まっすぐさんを休ませてやれよ!」
4.「もう……もうまっすぐさん死んじゃうよ!」
5.「ありがとうまっすぐさん、僕らはあなたのことを忘れない」
こうなりました。なんか3あたりで飛躍がある気がしますが気のせいでしょう。
まっすぐさんに、敬礼。
ラストのサプライズ
まあ、これは実際に見てもらえばわかります。
27時間追いかけ続けて来てこの展開に遭遇した徹夜組の心境はいかばかりか。*2リアルに泣き笑いになってたんじゃないかと。
このときリアルタイムで番組表も書きかえられてるんですよねー。運営鬼すぎるw
ラストのPV4つがまたいろんな意味で凄かった……。
裏番組:ニコマスMAD福袋
番組表を見てもらえばかなりタイトなスケジュールの企画*3だったことはわかってもらえると思うのですが、その貴重な休憩時間を削る鬼のような裏番組が存在しました。
それが「ニコマスMAD福袋〜ネタdeM@STER〜」。乱暴に言ってしまえば裏で「ネタ☆MAD」が開催されていたようなもんですね。この福袋次の時間帯に移る5分前くらいに公開しやがるの、しかもおもしろいの。
ひどいよっ!
ストーリー系動画の発展
27時間TVを模した企画という性質上、この祭りには多数のストーリー性のある動画が投稿されます。*4
今回は、一口にストーリー系とは言っても、単純な紙芝居にとどまらず「動画で表現する」ことを強く意識した、大きな可能性を感じさせる作品が多数投稿されてるように感じました。
「ノベル」「架空戦記」というよりも、非常に良く動くエロゲのADV(マヴラブ思い出した)のような「鋼鉄の旋律」(うたい文句どおり「アニメのような」と表現するとちと違う気がしたので。ストーリー的には全くそのとおりなんですけど)。
本来なら紙面で読むはずの漫画を「動画で」何の違和感も無く読ませてしまう「ダイナマイトナース」。ともきPの動画漫画のシーン切り替えタイミングとか効果音の使い方とか上手すぎだよなあ。動画であることが全くハンデになってない。
さらに、物語とポエムとPVを足して3で割って色々振りかけたらこうなりました、という感じの『恋は一秒』。すっごいセンチメンタルなポエムを読んでる気分になりつつ、背景のストーリーは進行させて、かつ動画だからこその快感もちゃんとあるんだよねコレ。フォントの使い方すっごい綺麗だしなあ。
などなど挙げていったらキリがないのですけど、特に印象に残ったのは『im@s side story』です。
今回の祭りで個人的にMVPを挙げろと言われれば、この動画になりますね。
『im@s side story』といっても「アイドルマスターのサイドストーリー」という意味ではなく、『west side story』のパロディ動画。つまりミュージカルです。
アイマス動画でミュージカル? ミュージカル風のPVかな? と最初は思ったんですけど、これほんとにミュージカルやってます。ちゃんとストーリーあって、それを歌と踊りで表現して。
しかもシナリオが普通に読みやすくて面白いんだよね。そこらのノベルゲームよりもスラスラと頭に入ってくる。合間合間でPV部分が入ってるけど、そのPV部分でもちゃんとシナリオに沿った表現がされているので、ストーリーがぶつ切りにならないのです。
字幕でシナリオが進行する中唐突に音楽がはじまり、そのまま切れ間無くミュージカルパートへと以降する。その瞬間の感動ときたら! そうか、PV系とノベル系はこういう形で融合が可能だったか、と。
美希が「恋してるの!」と報告してからそれを表現したPVパートに移ってくとことかもう、たまらんですぜ! たまらんですよ?
あと、前後編で話がしっかり綺麗に終わってるのも好印象ですね。「ちゃんと終わるかどうか」って物語性のあるものを作るときのひとつの壁って印象がありますから。
ただ、尺がちょっと足りなくてあらすじを読んでるというか舞台のト書きをそのまま読んでるという感もあったかな。これは企画の時間制限やアイマスの限られたモーションで表現するという条件を考えれば、無茶な注文だとは思いますけど。
ちなみに現在『im@s side story』コミュニティにて合作参加者によるニコ生が告知されいて、それに関連する質問募集が行われています。
?:一番語って欲しいシーン・場面、キャラ等
ニコニコミュニティ掲示板
?:このシーンだけは○○Pだと俺は見切った!(回答形式自由)
?:issの裏設定や未来など、妄想してみた事など
?:動画を見て、長いと感じたか短いと感じたか?
?:公演の本番、実際にどのキャラがどの役を演じたか予想(メインの二人は除く)
?:その他、issについて特に語って欲しい事
?:更にその他、任意にどうぞ(感想・意見・心の叫び・dis・その他一言など)
実は僕もTwitterでDikePにそそのかされてリアルタイムで予想とかやってたんですけど、見事に玉砕してるっぽいです。うん、きっと玉砕してるはず。
でも、正式な予想はこの企画に送ればいいってことですよね? そもそも27時間TV見てる最中にリアルタイムで予想とか無謀すぎだし。よーし、ヒント見て本気で予想して本気で玉砕するぞ!
特に入会条件無しのコミュですので、皆さんも入って予想だけでも参加してみてはいかが?
……ていうかこの動画の合作参加者『敷居の部屋』のゲスト率高すぎだろ。後でクレジット見てびっくりしたがな。
「トーク」が上手い動画
今回の祭り、ラジオが大流行した影響か声だししてる人もけっこういましたね。
前回を踏襲した中継動画のタイトルコールもそうですけど*5、ラジオのMCやテレビの司会的なことをやってる動画も。
特にせりざわPの手馴れすぎな番組構成とトークと、
いけPのテンポの良いトークの面白さはかなり印象に残ってます。
いやー、僕も10回もラジオやってきたから身にしみてわかるんですけど、不特定多数に向かって面白いトークができるってのは凄い才能ですよほんと。顔見えない人相手にやるのは難しいって。
そういう才能がある人が、この手の動画でどんどん発掘されていったら面白いですねえ。ニコ生もあるし。
わかむら無双
わかむらP大暴れの巻。前回の24時間TVはカクサバのみの参加だったはずですが、その鬱憤を晴らすように今回は色々と激しく動いてます。
そのなかでもメインはもちろんこちらの『WAKAMURA RECYCLE VOL.03』。これはリアルタイムでデイリーランキング入ってるので、既に見てる人も多いかな。
僕はこの新年会4〜5人くらい仲間で集まって一緒に酒飲みながら見てたんですけど、この動画のときの反応はやっぱ大きかったですねえ。
「ちょ、画質やべえwwwなんだこのチャイナ服の質感のリアルさは! というか普通に赤いし!」
「おおー、いままでのわかむらP動画であんまり見ないタイプの表現だー。あえて言うならorgonePあたりに近い?」
「ちょっと待ってこのステージシングル版から新しくなっとりゃせんですか?」
「おお、なんかこんどはうしわかPっぽいぞ。超綺麗」
「ゆりあPじゃねえかwww」
「このひとほんとなんでもできるな!」
こんな感じ。
えー、もう、なんといっていいやら。先にシングルカットで発表されてる動画単体も凄かった、確かに凄かったのだけど、これを見せられてしまうと、ああなるほど、あれらはこの動画の一要素だったんだなあと納得してしまった。この過剰さ、やりすぎ感。見ていて乾いた笑いが自然と出てしまう。これぞまさにわかむらP。
……実は前回の僕の下半期20選でわかむらPが漏れたのは、われながらけっこう意外だったんですよね。悩んで選んだ結果、おや? わかむらPいないぞ? という。もしこれ先に見てたら100%入ってますなーw
セルフライナーノーツ(これもむちゃくちゃ本格的)で本人も語ってますが、まさに全力全開手加減一切無し、という感じでしたねえ。
と思ったらしょっぱなのKAKU-tail VS. MSCで視聴者を煙に巻いたり。(※カクサバのオーキド軍は面子そのものがネタになってました。オーキド一…門…? という。)
「おいちょっと待てやこれは」「どうみても…」「ざわ……ざわ……」というコメントの流れはむちゃくちゃ面白かったw
かと思ったら最後の最後の「あの」展開の後に出してきたのが「これ」ですからねえ。もう大暴れとしか形容しようがありません。
もう無理
うがーーーー!! 書いても書いてもおわらねーーーーーーーー!!!!
27(実際には28)時間ぶんの出来事から気になったものを全てピックアップするって……一記事で書ききれるわけないだろうが! 書ききれるわけないだろうがっ!!
……ということで、今日はここらへんであきらめときます。おそまつ。