泣けるか泣けないかは問題じゃない

泣けませんね。僕はエロゲで泣いたことって一度もない。でも、「泣けるとされているエロゲ」自体は好き。多くの人が「泣いた」って言ってるようなゲームで外れってまずないですからね。
この泣けるとされているエロゲランキングだと、「SNOW」と「加奈」以外全てプレイ済み。泣ける泣けない以前に、どれも面白いゲームだと思いますよ? 少なくとも標準以下のゲームは一つもない。うーん、加奈もプレイしたほうがいいかなあ……まあ確実に外れじゃないのはわかってるんだけど、さすがにネタ割れすぎでいまさら感があるし、ねえ? 
面白いエロゲからシンプルな感動話を抽出したものが「泣けるとされているエロゲ」って言われてるんじゃないかな。ゲームのデキはいいんだから、泣けるか泣けないかなんて別に大した問題じゃない。
まあ、こういうのばっかだと系統が偏りすぎて食傷気味になるのは確かですけどね。この中だとC†C*1とグリグリあたりはちょっとタイプが違う感じだけど。「泣けるとされているエロゲ」ばっかりやってたら、「らくえん」とか「SWAN SONG*2」とか「CANNONBALL」とか「沙耶の唄」とか「未来にキスを」とか「ぎゃくたま」とか「秋桜の空に」とか……おっと、お薦め書きすぎ……にはまず出会えない。

 『君が望む永遠』はアージュのヒット作。ぼくはこれ、あまり好きじゃないんだよなあ。ようするにただのベタなソープオペラですからね。

 序章が終わって本編が始まる場面を、いきなりセックスの描写から始めるいやらしさ、気持ち悪さは高く評価しますが、「泣ける」という評判はよくわからない。どこらへんで泣くものなんだろ。

ソープオペラってのがどういうものを指しているのかわからないけど、別に泣いてもおかしくないと思いますよ。冬ソナで泣ける人は君望でも泣けるでしょう。普通に主人公に感情移入してプレイすれば、泣けるように作られてるゲームだと思う。そりゃ海燕さんがあんなもろに類型的な話でいまさら泣けるわけないだろうけどさ。
意外と純粋な人というか、ああいうメロドラマに弱い人って多いんじゃないかと。だから僕は初めてエロゲをする人が君望をやりたいって言うなら止めません。わりと無難な選択肢じゃないかと思う。
どっぷり浸かったオタクが満を持して初めてエロゲに手を出す! ……っていうんなら「半分くらいまでなら面白いけど、疲れるだけだからやめとけ」って言うけどね。発売当時にあんなベタなメロドラマをエロゲでやっちゃったってことと、とにかく驚かせりゃ勝ちなOPの二つは、文句無しに評価されていいでしょう。


ああ、なんか褒めてしまっているけど、僕ほんとはアージュのゲーム大嫌い*3なんですよ。マブラヴもオルタもそれなりに楽しんだけど、やっぱりどっちも非常にアージュらしい話だったので、たぶん僕はもう二度とアージュのゲームはやらない。
たしかに面白いことは面白いんだけどさ、結局「序章が終わって本編が始まる場面を、いきなりセックスの描写から始めるいやらしさ、気持ち悪さ」がアージュのシナリオの本質なんだもんなあ。底の浅い説教と、驚かせりゃ勝ちの一発芸の連続に慣れてくると、だんだん腹立ってくるんですよ。君ら、プレイヤー馬鹿だと思ってんだろと。プレイヤーにショックを与えたり感動させたりするには確かに有効な方法かもしれないけど、とにかく品がないんだよなあ、アージュの演出は。君望一回くらいならともかく、ワンプレイが長いエロゲで毎回あの気持ち悪さを味わうのはしんどいです。


続き → アージュ嫌いを許してくれ

*1:ひとことで言うとテキストが笑えるサイカノで愛人な感じの話。ひとことで言うな。

*2:泣けると思うんだけど、まずランキングに入らないでしょう

*3:「どうでもいい」じゃなくて、「嫌い」と思わせるあたりが、それなりに出来のいいゲームを作ってる証拠だと思う。