橙乃ままれ概論 〜名無しの「>>1」から物語作家に至った人物をひとつのSSから紐解く〜

・日時:夏コミ2日目 8月11日(日)
・スペース:東O 49-b「サークル敷居亭」

今回の新刊の巻頭特集として『橙乃ままれ超ロングインタビュー』を掲載しているわけですが、補講として彼が「ママレードサンドの人」だったころの傑作SSレビューというものを載せています。

こちらの大百科にまとめられているような過去のSSから、さらに4つを選んでレビューしたもの。(※ちなみに大百科では「長編」「短編」という区分けをされていますが、ママレードサンドの人のSSは、『まおゆう』が長大すぎるだけで他作品も基本かなり長いです。)
今日は、そのコンセプトから外れたことと紙面の関係から残念ながら没になった原稿を公開しようと思います。文責はサークル敷居亭きってのSS好きのさっすま
前置きはこのへんにして、どうぞご覧ください。


橙乃ままれ概論 〜名無しの>>1から物語作家に至った人物をひとつのSSから紐解く〜

ママレードサンドの人こと橙乃ままれ。彼はいまや『まおゆう 魔王勇者』『ログ・ホライズン』で名を馳せる人気作家だが、元を辿ればVIP出身、生粋の2ちゃんねらである。その力量はVIPPERとして、つまり「名無し」として積み上げてきたレスに一端を見ることができる。つまり彼もまた、あるところまでは他の書き手の同じSSという遊びを楽しむVIP住人のひとりだったのだ。
しかし、純粋なSSとして彼の最高傑作であるひとつのスレを転機として、彼は物語作家として覚醒する。ここでは『同僚女「おーい、おとこ。起きろ、起きろー」』を発端とした『同僚女シリーズ』(以下「同僚女」)に焦点を当て、「橙乃ままれ」という作家の魅力を紐解いていきたい。

SSで物語を書く、という異端

そもそもSSはVIPという遊び場のなかでもかなり珍しい形式である。それは「バイバイさるさん」のような連投制限にも原因があるし、また、「釣りネタ」としては少々長すぎる。決して遊びに向いているわけではないのだ。また、代表的なSSテンプレートである『A「○○」B「××」』は会話文を簡単に見やすくするために使われていたもので、ネタをわかりやすくする記法という側面が大きい。
故に、SS初期の流行であった「新ジャンル○○」は、「新たなキャラクターイメージ開拓の遊び」であり、登場人物の魅力「だけ」を追求していく作品が多かった。それはあくまでVIP上の遊びであるに過ぎず、物語を展開することは珍しかったのだ。
「同僚女」は最終的には見事完結し、「物語のあるSS」というカテゴリーのはしりになって現在のVIPSSの礎を築いた。しかし、当初はその存在自体が異端だったのである。

「同僚女」の魅力と革新

さて、これだけでも橙乃ままれという>>1の挑戦がいかに困難だったのか理解していただけると思う。しかし「同僚女」の魅力はそれだけではない。
そのことを語る前に、簡単に話の中身を説明しよう。それは、IT企業で働く派遣SEたちがひたすらデスマを乗り越えていくという、萌え要素皆無な、現代日本のブラックな物語である。異論もあるかもしれないが、橙乃ままれ氏自身がそう言っているのだからそういうことにしておく。本題に入ろう。


まず「同僚女」の序盤は「スレを落とさない」ことに特化している。この点は前述した新ジャンル系の流れを引き継いでいると言えるだろう。スレを落とさないためには読者にスレに居着いてもらい、レスをつけてもらわれなければならないため、読者を惹きつける「何か」が必要である。
「何か」、つまり、「キャラクターを立てる」こと。アニメでのキャラクターの印象づけに近い話だ。登場人物を意識して端的に特徴づけることによって読者を早く捕まえ、彼らにスレに居着いてもらうことで物語を展開するための土台を作り出すのである。具体例を挙げるなら、『C男「捨てよう」』などがある。


次に、SSだから許される表現も挙げなければならない。これこそ「同僚女」の要であり、SSの名作として名をのこす所以である。

男:カタカタカタカタ
女:カタカタカタカタ
男:カタカタカタカタ

一見してわかるように、ただキーボードを打ち込んでいるだけの描写である。これが許されるのだ。あえて言うが、これを「やってしまった」からこその傑作なのである。この表現によって、物語性を伴うSSというジャンルがVIPに定着することになった。


それを証明するのが、「女新人」というキャラクターだ。作者本人が「萌えなどない」と言いながらも、スレ民たちが勝手に登場人物の誰かに萌えてしまう原因を作った張本人だ。実際、僕も萌えた。このキャラの登場によって、この単なるレスを繰り返すだけの遊び場は物語の現場へと変貌した。
女新人はその名通りの新人であり、仕事はできない。そもそも仕事のしかたを知らない。その点を表現するため、作者は下記の表現方法を使った。

男 カタカタカタカタカタカタ
新人女 カタカタ

これだけで男と新人女のスピードの差が表現されている。これがSSなのだと言わんばかりの表現だ。さらにそこから、彼女が仕事を覚え変化していくところが見て取れるようになっている。

男 カタカタカタカタカタカタ
新人女 カタカタ

わずか1byte! この1byteに、これまでのVIPPERのお遊びとしてSSを超越した、一作の物語としてのSSが見える。キャラクター造形を工夫し読み手を萌えさせるだけではなく、そこに一本筋を通すことによってキャラクターの成長を描きだす、橙乃ままれが切り開いたSSの新境地が見えるのだ。
僕はいまでも憶えている。この瞬間、ひとりのスレ民としてとてつもなく興奮したことを。これは間違いなく傑作になる。ここでこのスレを捨てるなんてとんでもない! 僕は、そう思った。


そしてもうひとつ、「同僚女」の忘れてはならない魅力は、安価とは異なるレスの拾い方を物語に投入したという点にあるだろう。安価は決定であり絶対である。それは「同僚女」が「物語としてのSS」に変化した時点で捨てなければならなかった。なぜなら、そうしなければ終着点の景色が変わってしまうからである。
しかし、スレはあくまで>>1のものであり、その他のスレ民たちのものでもある。だからこそ、橙乃ままれ氏は、彼本人がレスで述べているように予想外だったC男の人気を受けて、彼をきちんと引き上げ、主役のひとりにまでしてしまったのだ。これはのちの『まおゆう』でもメイド姉に顕著に表れている手法である。
つまり、彼はリアルタイムで動くスレを、安価を使うことなく、物語となったSSのスタイルにあわせ、いとも自然に消化してのけたのだ。これこそ橙乃ままれ作品の最大の魅力だ。そして、この手法が用いられたときこそ、SSがVIPPERのお遊びを超えた瞬間でもあった。「物語を描くためのVIP」の礎を築く道、その第一歩をここに見ることができる。

SSの過去、今、そしてこれから

ここまで「同僚女」の魅力を語ってきた。この作品は5スレを使い、最終的にはパート速報に移って拡げきった物語をきっちり完結に導いた。「物語としてのSS」の起源と言っていい。
「同僚女」が「初めて物語を描いたSS」だというわけではない。一次創作、二次創作を問わず、この作品より前にもそういう作品は存在していたし、面白いものもあった。当時SSを書きつづけていたコテハンたち、>>1は、いまも語り継がれる傑作をのこしている。当時その場にいた僕はそのことを十分に理解している。
しかし、この「同僚女」では、従来の物語作家とは異なる、編集・演出に能力を特化させたニュータイプのSS作家が出現している。そしてそれが現在の「遊ぶためではなく、物語を書く場としてのVIP」を生み出すきっかけのひとつになっているのだ。
その一点において、このSSは「物語としてのSS」の起源として記憶されるべきであると考える。


もちろん現在でも、あらゆる方面からの人材の流入によって、日々傑作が誕生している。しかし、VIPの大量規制や忍法帖システム*1の導入などにより、本来VIPが持っていたSSで遊ぶという文化は現在ではほぼなくなってしまった。
このような「驚き」や「新しさ」という視点で作品を見ることはもうできないかもしれない。とはいえ、面白い物語はまだここにある。橙乃ままれが生み出したひとつの文化は今日もまた受け継がれていく。物語は続いていくのである。


さっすま

*1:板への書き込みによりレベルを上げていき、レベルに応じて連投の制限がゆるくなっていくシステム。そもそも一定レベル以上がなければスレを立てることすらできない。

既刊『敷居の部屋の混沌』再販のお知らせ

(※追記)通販対応開始しています→サークル敷居亭関連情報まとめ&通販受付


今回の新刊『最前線』の中で既刊としてたびたび話題に出てくる『敷居の部屋の混沌(カオス)』。長らく売り切れで放置されていたのですが、このたび増刷が決定いたしました。

*1

一冊の本に「MUGEN動画」「ニコニコアニメ配信」「ゲーム実況」「ニコ生RTAそれぞれについての寄稿記事、そして新刊のメインにもなっている小説家になろう座談会」が詰め込まれた、まさにカオスの名にふさわしい本となっております。


内容の面白さには自信があったのですが、それまで敷居亭はニコマスアイマス本しか実績がなかったということもあって需要がいまいち読めず……結局だいぶ気弱な数しか刷らなかったんですね。
蓋を開けてみれば、コミケ当日だけでほとんど売り切れ寸前になって、通販であっという間に完売。その後、増刷もせず幻の本に。ロングテールで手にとられ続けるタイプの本だからそのうち増刷したいなあ、という意見は以前から出ていましたので、今回は良い機会だろうと。


手に入れ損ねていた方も、今回初めて当サークルの本に触れるという方も、良かったら手にとっていただけると幸いです。

*1:イラスト:くらふと(http://d.hatena.ne.jp/craft_kim/

『敷居の部屋の最前線』完成記念生放送

今週末の土曜22時から、海燕さんの「ゆるオタ残念教養講座」チャンネルにて敷居亭夏コミ新刊『敷居の部屋の最前線』に関するニコ生を行います。

大手小説投稿サイト「小説家になろう」の最新情勢について語るニコ生です! 海燕、敷居、レスター伯、さっすまの四名が、

・『ログ・ホライズン
・『異世界迷宮で奴隷ハーレムを』
・『無職転生 異世界行ったら本気だす』
・『勇者様のお師匠様』
・『大魔王が倒せない』
・『レジェンド・オブ・イシュリーン』

 あたりを中心に、「小説家になろう」の現在、過去、未来、そして直近の夏コミで発売予定の同人誌『敷居の部屋の最前線』について喋り倒します。

 この本、同人誌でありながら『ログホラ』の橙乃ままれさん、現在なろうランキング1位の蘇我捨恥さん、同2位の理不尽な孫の手さん、『勇者様のお師匠様』のピチ&メルさん、『大魔王が倒せない』のはぐれっちさん、そしてなんと禁じ手、プロ作家である『神さまのいない日曜日』の入江君人さんらに取材したとんでもない一冊! 海燕もブロマガ運営の裏側をたっぷり公開しています!

 当日は東O 49-b「サークル敷居亭」にて販売の予定。110ページ超のボリュームで価格は出血覚悟のワンコイン、500円! これはすごい。ぜひお買い求めください。
「小説家になろう」同人誌告知ニコ生 - 2013/08/03 22:00開始 - ニコニコ生放送

完成した同人誌の宣伝、および製作中の四方山話なども織り込みつつ、本の中で話題になっている作品について色々語ろうぜ、という趣旨の放送でございます。


原稿寄稿してるのはわかるけどなんで海燕さんのチャンネルで? それは海燕さんとこのニコ生は半公式放送扱いでニコニコトップに放送が告知されるので集客力がダンチだからです!
えっらい面白い本ができた自覚はあるのですけど、それも届くべき人の目に入らねばお話にならぬ。というわけで、狡猾に宣伝していきますよ〜。いやほんま、この本がVIPSSやなろう界隈に興味がある人の目に入らないのはマジもったいないと思うのよ。


あと、「さすがにワンコインは無茶じゃないか」と物言いがついて協議中になってた配布価格も、もうコミケではイベント価格ってことで冒険しよう! ということで五百円に決定しています。*1
こんな内容の本が現地ならワンコインで買えてしまう! というのも現代の同人誌出版の恐ろしいところでして。じっさい年々印刷代って下がってて、諸経費無視*2して印刷代だけ考えれば、もちろん儲かりゃしないけど無謀というほどでもないんですよねこれが。

*1:通販価格はさすがにもうちょい上乗せすることになると思いますが

*2:諸経費無視は同人活動ではデフォ

最後の? 敷居亭アイマス本 - 夏コミ新刊その2『敷居の部屋の終幕-Curtain Call-』

(※追記)通販対応開始しています→サークル敷居亭関連情報まとめ&通販受付

すぐに上げます(1週間以上かかる)。すんません! 最終調整でバタバタしてまして。


そんなわけでお待たせしました。新刊その2『終幕』の告知です。
・日時:夏コミ2日目 8月11日(日)
・スペース:東O 49-b「サークル敷居亭」

http://twitcmap.jp/?id=0084-2-OOa-49-b

新刊その2『敷居の部屋の終幕-Curtain Call-』


(※表紙イラスト:くらふと)

  • 約90ページ*1の横書き文章同人誌
  • \500
  • 夏コミ後に通販対応開始


コンテンツは、まずは巻頭特集として『ニコマス魂の一選』。

20選ならぬ1選。自作から1本、他作から1本、俺の魂の1本を選ぶならこれだ! と断言できる動画を選べ! というコンセプト。
多数のPにご協力いただき、自作、他作それぞれ1本ずつ選んでいただきました。サンプルは敷居亭編集部のレスター伯Pのものになります。選者は以下の29名。

(編集部枠)
  • 敷居、taitoku、raydive、さっすま、ハバネロP、レスター伯P

ちなみに、編集部の僕なんかは動画投稿をしていませんが、だからといって枠が2本に増えたりはしません。あくまで魂の1本だコノヤロー! というストロングスタイルな企画でございます。
どうです? この面子の魂の1本、気になるでしょう?


続いて、寄稿原稿が5つ。
むーくP『コンテンツ記号論〜そしてアイマスは記号になった』、うぐ美『アイマスライブってどうなの?』、レスター伯『21世紀の声優ユニット史からみるアイマスガールズの軌跡』、はじめてのC『グリマスはレアカードにも背景あってよい』、YaSuYuKi『アイドルマスターミリオンライブは、なぜあんなに重いのか?』。
それぞれ、様々な角度からアイマスの歴史と今が語られています。


そして最後に以前告知した通りの特別座談会『Pの目から見たニコマスのこれまでと今、そしてこれから』。

既に音源も公開済みの内容が、どのように文章原稿として落とし込まれているのか?
……実はまだ編集中だったりして

通販対応について

いつもどおりサークル通販も対応する予定です。詳しいことはコミケ終了後にお知らせします。

*1:編集終わってないから正確な頁数がまだわからない。大丈夫か?

*2:彼のも見たい! とサークル代表がわがまま言って声をかけた。締め切りギリギリでの無茶振りである

*3:編集部全員参加なのに毎回表紙イラスト書いてるくらふとさんがいないなんて! ということで追加

*4:アイドルマスター1.5とかの思い出話をしてた勢いで彼のも読みたい! とまたサークル代表がわがままを言った。カズマさんよりさらにギリギリでほんとに酷い話である

*5:最後の割り込み枠。内容読めばわかる。

テキスト系Web創作の”今”を切り取る - 夏コミ新刊『敷居の部屋の最前線-Front Line-』

(※追記)通販対応開始しています→サークル敷居亭関連情報まとめ&通販受付


お待たせしました。サークル敷居亭、夏コミ新刊の正式告知です。
まずは新刊その1『最前線』から。(新刊その2『終幕』の告知もすぐに上げます)
(※追記)新刊その2の告知も上げました。

・日時:夏コミ2日目 8月11日(日)
・スペース:東O 49-b「サークル敷居亭」

http://twitcmap.jp/?id=0084-2-OOa-49-b

新刊その1『敷居の部屋の最前線-Front Line-』


(※表紙イラスト:くらふと)

  • 110ページの横書き文章同人誌
  • \500(イベント価格*1
  • 夏コミ後に通販対応開始(※書店委託も前向きに検討中)

「VIPSS」から「小説家になろう」、そして「ブロマガ」。超豪華ゲストを多数お招きして、テキスト系Web創作の"最前線"を一冊に詰め込みました。


詳しいコンテンツは以下参照。

まずは巻頭特集。『まおゆう』のアニメが無事終了し、続けて『ログ・ホライズン』が放映を控えているいま一番ホットな作家、橙乃ままれさんへの超ロングインタビュー! VIPから『まおゆう』を、「小説家になろう」から『ログ・ホライズン』をそれぞれ生み出したままれさん。彼ほど今回の本の巻頭特集にふさわしい人物はいないでしょう。


編集部員の僕とレスター伯、そしてままれさんがVIPに投稿していた当時リアルタイムにレスしていたというさっすまの3人がインタビュアーとなり、座談会形式でたっぷりとお話を聞きました。ぶっちゃけた話、ここまで橙乃ままれのルーツにがっつり迫ったインタビューは商業誌にも存在しないと思います。むっちゃくちゃ面白い内容ですよ!


小説家になろう」特集としては、まず現在の累計ランキング1位『異世界迷宮で奴隷ハーレムを』の作者である蘇我捨恥さん、累計ランキング2位『無職転生-異世界行ったら本気出す-』の作者理不尽な孫の手さんの単独インタビューがそれぞれ収録されています。

さらに、「小説家になろう」の作者・読者それぞれの立場のヘビーユーザー5人が集まってなろうについて語り倒す小説家になろう座談会」
参加者は、まず読者側から司会進行の敷居。ブロマガで大活躍中で、たびたび記事で「なろう」の小説を話題に出している海燕さん。

そして、えー、なんでアナタがいるんだ! というツッコミをせずにはいられない入江君人さん。ちょうどTVアニメ『神様のいない日曜日』の放映がはじまったばかりですね。

一人のなろうを愛するファンとして、また、商業を経験したプロ作家としての視点を提供してくださっています。
なろう作家からは『大魔王が倒せない』『姉ちゃんは中二病』等を連載されているはぐれっち/藤孝剛志さん。

僕が大ファンなので無理言って呼んじゃいました! ちなみに彼は『姉ちゃんが中二病』がHJ文庫大賞の"金賞"を受賞してデビューが決定しており「藤孝剛志」はデビュー後の筆名とのこと。既に発売日も8月31日に決定してネット書店で予約がはじまっているようですね。

さらにもうお一方、『勇者様のお師匠様』が大人気のピチ&メルさん。

こちらは海燕さんが大ファンなんですが、なんとピチ&メルさんも海燕さんのブロマガの読者でもあるということで、お互いに読みあっているご縁で参加してくださいました。
あとこの座談会の補講として、話題に出てきているWeb小説の書籍化大流行の解説コラムを僕が書いてます。


そして第3章には個別寄稿記事が2つ。
1つはプロ作家入江君人さんによる『まだ見ぬ仲間に捧げる書き「続ける」ための創作講座』
「続ける」ことがもっとも困難な創作をいかに「続ける」のか? なろう作家をはじめとする全ての創作者に向けての全力のエールです。
そしてもう1つは海燕さんによる『無名ブロマガ「ゆるオタ残念教養講座」の軌跡と奇跡』。アイドル・タレント・ミュージシャン・作家・評論家などなど有名人がひしめくブロマガランキングにほとんど唯一の素人という立場で殴りこみ、多数の読者を獲得した海燕さんの記録。え? こんなことまで? ってところまでぶっちゃけてくれてますよ!


以上、駆け足で紹介してきましたが、全110ページの大ボリューム文章同人誌となっております。
いま、改めて初稿をざっと読んでいるんですが、この本、すごい。敷居亭のサークル活動が今回で一区切りだからってことで、自重一切無しでやってたらなんかえらいもんができてしまった感。自分とこで出しといてなんですがいいから商業ムックでやれと突っ込まざるを得ません。

通販対応について

いつもどおりサークル通販も対応する予定です。今回は委託も視野に入れてるんですが、そのへんについて詳しいことはコミケ終了後にまたお知らせするということで……。

*1:頁数がもう1冊のアイマス本よりかなり多いオフセット本になるので、申し訳ないですが、たぶん通販は送料込みで少し価格が上がってしまうと思います。

*2:声優の悠木碧さんの隣にいるのがはぐれっち先生

夏コミ新刊その1『最前線』 鋭意製作中

二日目(8月11日) 東O 49-b「サークル敷居亭」

「敷居:うちの同人誌はいつもだいたいこういうノリで 意外と半分くらいは実現する」


―ちょっと駄目もとでオファー飛ばしてみようかと
―何だこの野郎。原稿なら書いてねーぞ
―ついにおれも巻き込まれてしまった。。。
―よし話ふってみよう。いや無理だろうけどw
―鬼か、あんたら。
―OKとれました。
―どんどん豪華になっていく。
―なにこのへやこわい
―ぼくも一応、文章で金取っているんですけれどね。
―今回の本で寄稿お願いしてんの大半そんな人ばっかだよ!!
―いや。匿名はもう。やめようと思う。
―どんくらいカミングアウトしたものかって言う葛藤がw
―内密にな


「レスター伯: 僕はそうやらないともたないので、覚悟は最初にしてる」


―歩くセックスが置いて行く友情ですよ?
―また怖い話のログを残して……
―!?(←いろいろ思い出した)
―あ、買いました(≧∀≦)
―向かいの台から灰皿飛んできた経験ありますか?
―わたくし地味にこうしてチャットしてるのちょー楽しい
―読みたい。それ読みたい
―(あ、酔ってるなこれ)
―さあカオスになってまいりました
―それを捨てるなんてもったいない!
―人生ハードコアモードw
―スタッフーー。URLはってー。スタッフー。
―読んでない本をバカにするような読書家はねこうんちです。
―そんなにみたいかい?(ドヤヤァ)
―おう、半分どころかほとんど実現しとるで、今回


―気がついてたんだけど、内緒にしてたことを告白する。「小説家になろう」の同人誌を作ってるこのチャットが、同人誌の内容と同じくらい、「小説家になろう」の話として面白い件


――『敷居の部屋の最前線』編集会議室より一部抜粋


20XX年。youtube,ニコニコ動画,MADムービー,アニメ実況……

Webコンテンツの"最前線"はテキストから映像に移ったかのように見えた。

だが……テキストは、死滅していなかった!

VIPSS」「小説家になろう」「ブロマガ」、それぞれの"最前線"で戦う人々をゲストに招き、サークル敷居亭が総力をかけてお届けするテキスト系Web創作の"今"


『敷居の部屋の最前線-Front Line-』


一区切りの敷居亭本、今夏はすべてが超豪華! 続報を待て!



(※新刊その2、アイマス本『敷居の部屋の終幕』もちゃんと進んでます)

特別対談『Pの目から見たニコマスのこれまでと今、そしてこれから』公開録音について

生きてます(挨拶)……から入るのもいいかげん飽きてきましたね。どうもお久しぶりの敷居でございます。
さて、珍しく更新している時点で何の話題かはうすうすおわかりかもしれませんが、半年の一度のお祭りがまた今年も巡ってこようとしていますね。


2009年夏コミに半ば勢いではじめたサークル敷居亭の活動もなんだかんだやってるうちにもう4年目。4年となりますと、色々なことが移り変わっていくのには十分な時間です。サークルの名前冠しているはずのブログがまるっきり更新されなくったりというわりと致命的な変化もありますが、彼は就職したあいつは結婚したとまあなんだかんだとサークルメンバーの生活周りも色々大きく変わってきているわけで……。
次回夏コミ新刊『敷居の部屋の閉幕(カーテンコール)(仮題)』は、サークル活動の一つの区切りとして、第1期完というか俺たちの戦いはこれからだ的な何かにしようか、とか僕らは考えています。


それだけに総決算的な本を! というわけで色々計画が進んでいるのですが、その一貫として、過去の本で何度も取り上げてきたニコマスコミュニティで精力的に活動されてきたプロデューサーさんたちとのコラボレーション企画が立ち上がりました。

『サークル敷居亭』 × 『NRRR』 × 『ニコマスとP』 コラボレーション企画

特別対談「Pの目から見たニコマスのこれまでと今、そしてこれから」

サークル敷居亭の夏コミ新刊における記事のひとつとして、デビュー時期も活動履歴も異なるPたちが、それぞれの活動の中で見たニコマスというコミュニティの変遷と、未来を語ります。
今回は、NRRR特別編という形で、対談の公開録音を行います。
もちろん、夏コミの新刊にその模様は収録されますし、「ニコマスとP」でも冒頭部分のテキストを公開する予定になっております。

<参加者情報>

ハバネロP

08年1月デビュー。代表作に「【疑似m@s】 アイドルマスター 水谷豊 「プリコグ」」がある。
アイマス×けいおん!の合作動画「【けいおん!】 放課後ライブ4U! 【im@s】」では主催を務めた。 

マイリスト:http://www.nicovideo.jp/mylist/3683867

卓球P

07年11月デビュー。
代表作に「アイドルマスター /^o^\フッジッサーン」「アイドルマスターは鳴り止まないっ」など。
ニコマス20選の初代主催であり、定番動画紹介ラジオ「NRRR ニコマス・ロックンロール・レディオ」のメインパーソナリティでもある。

マイリスト:http://www.nicovideo.jp/mylist/3770444

Pボウイ

10年1月デビュー。
代表作に架空戦記宇宙の騎士テッカマントカチー 」シリーズや「【アイマス2im@sオールスターでLet's Party!!! 【戦国BASARA】」などがある。その他、生放送や企画などで幅広く活躍。

マイリスト:http://www.nicovideo.jp/mylist/19495614

アゥP

11年9月デビュー。代表作は「【萩原 雪歩】Erasing your memory【WRONG SCALE】」など。
ニコマスディアブログ「ニコマスとP」の編集長としても、精力的に活動中。

マイリスト:http://www.nicovideo.jp/mylist/27832222

<公録情報>
日時:6月1日(土)21:00〜 (約二時間予定)
放送URL:http://std1.ladio.net:8000/tackq770.m3u
放送用掲示板:http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/radio/5191/
      (当日に専用スレッドが立ちます)

もともとニコマスPに対するインタビューラジオの文字起こし+αという形式ではじまったのが敷居亭ってサークルですからね。そこは外せないでしょ! ということで、ハバネロPが豪華な面子を集めてくれました。
土曜に開催される公開録音を、それをいったいどう本に落とし込むのか? って部分も含めて、楽しみにお待ち下さい!