ニコマス洗脳者は「ネタ」から入り「萌え」に至る

うちの鏡音リンロードローラー記事にリンクしてくれている記事を発端に、オタクの中心は萌えからネタにシフトしているのかも? という話が盛り上がっていたようです。

結構前から言われてるかもしれないけど、最近のオタクカルチャーの趣向というか指向性って、完全に「萌え」から「ネタ」に移った感じがする。


反応した海燕さんの記事。こちらもずいぶん大きな反響が。

さようなら、「萌え」文化。ぼくを楽しませてくれてありがとう。こんにちは、「ネタ」文化。今後ともよろしくお願いします。


で、最近アイマスMAD普及サイトからアイマスネタ系サイトへとクラスチェンジを遂げつつあるCさん*1が、それにごにょごにょっと反論した記事がこちら。

だからって冒険溢れる毎日が欲しいから道路でモヒカンとエンカウントする日常にしようぜって言う人がいない(普通)くらい、萌えはいらんネタをくれという理屈は乱暴だと思う。やっぱり基本萌えるからこそネタが嬉しい。萌えは大事。一日三拝。

ネタ文化は萌え文化の上に乗っててナンボだろ、と。
なんか文章から頼むから話広げないでくれという無言のアピールを感じますが、空気読まずに取り上げちゃおう。こんなふうに、話の例としてうちに言及してくれてる記事に知り合いが反応して、まわりまわってまた僕が反応するってのがなんか面白いよね。


しかしアレですな、この話と関係あるかどうかわからないけど、アイマスはともかくニコマスって最初ネタでウケてたんだよね。パイタッチとか、とかちラーメン大盛りとか。ほら、その当時はこのネタ面白いなーとは思ってたかもしれないけど、萌えがあってその上にネタがのってる……という状態では無かったじゃないですか。少なくとも見ている側はそうだったと思うし、今回話題になっているようなニコニコを例に出してのネタ文脈の話ってそういうもののことを指してるのかなーと。
僕の場合アイマス動画自体はニコニコで最初に知ったというわけじゃなく、元々あの3Dのムービーの気持ちよさは凄いなあとは感じてました。といっても、あくまでムービーの動きの気持ちよさに感心していただけで、キャラクターの魅力にはこれっぽっちも興味無かった。ゲームにもあんまり興味無くて「アイドル育成? しかも元々はアーケード? なにそれ、拷問じゃん!」みたいな感じでした。


しかし、そんな僕がいつのの間にやら箱○ごとアイマス買ってTVじゃ画像荒くて不満だとか言ってモニタまで買い換え、あげくの果てにはこんな動画見て、
ニコニコ動画(RC2)‐アイドルマスター 黒春香の毒舌(再うp)


http://twitter.com/sikii_j/statuses/571512342

こんなことつぶやいたり。


ニコニコ動画(RC2)‐アイドルマスター - せっかくなのでニコ春香さんにEDをつけてみた
こんな動画見て、


http://twitter.com/sikii_j/statuses/597000002

こんなことつぶやいたりするようになっちゃうんだからわからないもんです。
特に下のとか完全なネタ動画なはずなのに、ネタで手を叩いて大笑いするよりも「あー春香かわいいよ春香」って気持ちのほうが先に来てるんだよね、素で。キャラには興味ないんじゃなかったんでしょうか。


……しかし、冷静に考えればそれも無理のないことではあります。半端じゃない根気と時間をかけてわざわざMADなんか作る作者たちはそりゃもう筋金入りのファンで、病気なくらいにキャラに惚れちゃってる人がごろごろいるわけです。
そんな人たちの作る動画を四六時中見まくってごらんなさい。ネタ動画だとしても所々に「俺の育てた春香のこんな仕草はかわいいだろ?」「ほらこの動きとか最高じゃね?」「この表情とかどうよ?」みたいなメッセージがぱんぱんに詰まってるんですよ。そりゃ、洗脳されるっての! 無闇やたらと細部にこだわった愛情表現をこれでもかこれでもかと見せつけられ続けたら、「ああ、この角度がたまんないよな」と思わず同意しちゃうのもしょうがないよね。


これはたぶん僕に限った話じゃなくてですね、ニコニコ動画アイマスに洗脳された人たちはけっこうな割合で似たような戸惑いを持ってるんじゃないかな。あれおかしいなネタ動画を見て喜んでただけのはずなのになんで俺惚れてるんだろう、という。
この蟻地獄に引きずり込むように興味無い人まで巻き込むのがネタ文化の力だというのなら、これはちょっとバカにしたもんじゃないよなあ、とか思ったりしたのでし、た。