僕にはホンモノが無い

どんなことでも、大概興味は持てる。興味が無い、ってことが、あんまりない。持とうとすればもてる。でもその代わり、「本当に俺が欲してるもの」てのが、よくわからなくなった。いや、本当に欲してるものはあるのかもしれない。でもそれが「これしかない」って感じに一つに限定されない。好きレベルが5のものがいっぱい、好きレベルが8の奴がいっぱい、そんな感じでふわふわしてるけど、その中で一つ好きレベル100とか飛びぬけてる一つ、てのはない。


強いて言えば、やっぱり人なんだな。

ネタ的なものでもなんでも、「人に見せる」って思いがあるときは、寝るのも食うのもせずに集中できるしめっちゃ楽しい。学園祭とかで、「こりゃうけるぞ!」って思って作った衣装とか。そういうのはすっげ楽しかった。でもたぶんそれは、人に見せて「お前すげーよ!こんな面白いことよくおもいつくな」って言われたかったから。それだけのためだったんじゃないかと思う。そしてそれだけの事がすげえ俺にとっては推進力や原動力になる。

やべえよ俺やっぱりすっげ自己顕示欲強い。ていうかもうそれしかない。なんでこんな性格になったのかわからない。なんでこんなダメな人間になったんだ?理由も無くただ好きだって事、多分ほとんどない。自己顕示欲満載のときは何もかもに興味が向くしがんばれるけどそれをはずすと何もしたくなくなる。なんだ?これ。どうすればいい。でもこうでしか生きられない。困った。なぜこんなことになったんだ。畜生。

http://anond.hatelabo.jp/20070430002630

ふむ。何か心を動かす力がある文章だなあ。
自己顕示欲おおいに結構じゃないですか。無自覚なら凶器になるかもしれないけど、自覚してれば立派な動機の一つだと思う。名声*1を第一に求めるって別に何も珍しいことじゃないよね。他人に認められたいって気持ちは誰だってある。僕にだって当然ある。「飛びぬけて好きなのは人(に認められること)」ってむしろかっこいいような。……んー、なんかこんなふうな言い方すると上から目線でもの言ってるみたいで嫌だな。


えーとですね、色々共感する部分はあるんだけど、全体としてはそこまで共感できないのはたぶん趣味の分野の話だからですね。趣味はやっぱ単純に好きだからって気持ちのほうが大きいしなあ。そりゃ他人に認められたいって心理が全く無いとは言いませんが。
でもね、別に理由もなくただ好きなほうが偉いとは思わないんだよな。好きだからにしろチヤホヤされたいにしろ、僕もこの人もホンモノではないって点で一緒なんだと思う。いや、むしろ彼の人に認められたいって気持ちはホンモノで、誇ってもいいような気がする。

この文章のどこに一番共感するかっていうと、「好きレベル5や8くらいに興味があるものがたくさんあって、100とか飛びぬけてる一つ、てのがない」って部分。そうなんだよ、それが仕事にしろ恋愛にしろ趣味にしろ、「レベル100の気持ちで好きになれる」ってのも一種の才能なんだ。それはたぶん個人にとっては、その分野で成果を出せる才能よりもずっと重要なもので。

僕はもういい加減いい年だし、そういう掛け値無しのホンモノってのがどうやらこの世には存在するらしいってのは確信できています。世の中ほんとは偽者ばっかりで、どいつもこいつもホンモノぶってるだけだ、なんてニヒリストじみたことはいまさら思わない*2。ただ、まあ自分はどうやらそうではないなってのも同時に確信してるんですよね。

僕はけっこう「ああ、いいなこれ」って反射的に興味持つものは多くて、まあ平均よりは多趣味なほうだと思う。「レベル5や8くらいの好き」ってほど興味無いわけじゃなくてレベル50くらい好きなものはあると思うんだけど、でもやっぱり100を超えるようなものは無いんだよな。僕にはホンモノは無い。

いや、まあ客観的にはあんたどう見ても100%趣味人です。本当にありがとうございました。っていうふうに見えるかも知れないんだけどさ。でもこれ、あくまで主観的な感覚なのでどうしようもないんだよ。僕には自分の気持ちが偽者では無いにしろ、ホンモノには足りてないよなあ、って思えるんですね。で、レベル100の力で仕事や恋愛や趣味に打ち込めてるように見える人を、うらやましそうに指をくわえて見てるのです。だって、何かをどれだけ好きになれるかなんて、コントロールできないんだもん。


なんかまるで自分に絶望しているかのようなこと言ってるけど、実はそうでもなかったり。「ああ、これ(こいつ)は掛け値なしにホンモノだよな」ってものを横から眺めてるのって、楽しいんだよね。それだけでじゅうぶん満足を感じてて、ちっとも不満に思わない*3。まあできればそういう人を手助けするなりなんなりで関わりを持てたらベストなんですけどね。きっと自分は一生ホンモノにはなれないだろうけど、これはこれで、けっこう悪くない人生なんじゃないかと思ってたりするのです。好きレベル100のものなんかなくても、世の中面白いもので溢れてる。たいした悩みもないし普通にしあわせ。
まー要するに「空の境界」の燕条巴くんリスペクトってことで(笑)。無価値でいいじゃん、幸せならさ。


はいはいそこ! 自分語りキメェwww とか言わない。

*1:チヤホヤされたいってのはようするにそういうことだと思うんだけど

*2:どうも思春期くらいの僕はそんなことを思ってたような気がする

*3:ま、もしかしたら若干自分に嘘ついてるのかもしれないけどね