雪菜さんのマジハンパない行動集/WHITE ALBUM2-introductory chapter-再考

しばらく前に、ホワイトアルバム2のこんな感想を書きました。

そして、プレイ後の感想は、結論から言うと「やはり崩れなかった」ですね。

男1人×女2人が出会ってちょっとずつ接近していく様が序盤からすんげえ丁寧に描かれて、何も悪いことは起こらないどころかむしろニヤニヤできる場面ばかりで誰も悪気はない、なのに着々と逃げ道が塞がれていくのがわかる。もう、これ以上ないってくらい王道の三角関係モノ。

現状はハイレベルな教科書通り - WHITE ALBUM2 -introductory chapter-

1週目が終わった直後の特典小説も2週目も未読の状態で書いた感想なわけですけど、実は現在は全く違う印象を持ってたりします。↑の記事のみを残しておくのはなんだか手落ちのような気がするので、再考したホワルバ2についての話も書いておくべきかなーと。
一周目が終わった後に↑の記事を書き、その後特典小説と2週目をやった後に海燕さん・平和さんとラジオをやったわけですけど、その放送では僕はほとんど「雪菜さんやべえ。まじパネェっす」ばかりを繰り返す空気読めないやつになってました。なんでそうなったのかといえば、1週目のプレイだけではあやふやで確定しきれなかった部分が、僕の中で固まりかけていたから。そして、再プレイと他のプレイヤーとの話し合いを綿密に行ったいま、その部分はほぼ確信へと変わっています。

ラスト付近、典型的な憎まれ役の当て馬ポジションになってしまった彼女が吐いた「バランスをとった」ってセリフは若干ゾクっとさせるものがあってここからガラガラガラっと来るか? と一瞬期待して身を乗り出したんですけど、そこからさらに深く突っ込むことはなかったですね。みんないいやつで、誰も悪くないままエンド。

現状はハイレベルな教科書通り - WHITE ALBUM2 -introductory chapter-

つまりはここの部分ですね。物語のなかで深く突っ込むことがなかったというのは変わらないのですが、特典小説と2週目の追加部分を併せれば、彼女の特異なキャラクター性を確定させる材料は揃うのだということに、後になってようやく気がついたと。
これからプレイするつもりの方は、1周プレイで満足せずに、小説付きの初回限定版を買って2週目をプレイすることを強くオススメします。流通量的には圧倒的に初回版のほうが多いらしいですけど「フィギュアとかイラネ」と思って通常版をうっかり買っちゃわないように! 特典小説重要です。超重要。
以下、ネタバレ上等になるので注意。





教科書的? とんでもない!

男1人×女2人が出会ってちょっとずつ接近していく様が序盤からすんげえ丁寧に描かれて

実のところ、この時点で全然違うんですよね。いや、1週目を流し読みしたらだいたいの人はこう感じるとは思うのですが、2週目までやったらぜんぜん違うことに気付くような構成になっている。
正しくは男1人×女1人は物語の開始前に既に惹かれあっており、その構図はゲームの開始から終了まで一切変わらない。少しずつ接近していく様を描いた物語ではなく、隠されている気持ちが少しずつ明らかになる物語なのです。
前作のファンの方が「ホワイトアルバムといえば最初に彼女がいるところからスタートの浮気ゲーだろ? その時点で2は全然違う」ってなことを言ってましたが、↑の前提条件を考えれば、実は付き合ってないだけで内実はそう変わらないところからスタートしていることがわかるはず。
ぶっちゃけてしまえば、主人公とメインヒロインはほんの少しのきっかけさえあればいつでもくっ付くような状態からスタートなんですね。二人とも最初からベタボレ状態で、はっきりいってお話にならない。これがどうやって三角関係の話になるんだよ、と。


物語中盤、「ほんの少しのきっかけ」である文化祭ライブを経て、そのままいけば確実にお話が終わってしまう……そのとき! 二人専用のパトリオットミサイルが発射される。

それが大魔王小木曽雪菜さんです。いや〜、怖いですね。恐ろしいですね。


物語が終わる気配を感じた彼女は、機先を制して主人公に告白します。主人公をかずさに奪われたくないから? いいえ、一人になるのが嫌だからです。とあるトラウマから一度できた友達関係が崩れるのを極端に恐れる彼女は、ほっとくとくっついて自分から離れていってしまう二人を繋ぎ止めるために、バランスを取りにいくのですね。
いや、もちろん主人公のことはそれなりに好きなんでしょうが、一番重視しているのは三人でいること。なので、お人好しの主人公が彼女の計算通り告白を断れず首尾よく恋人同士になった後も、できるかぎり三人でいようとします。さあ、この意味がわかるでしょうか? 彼女の計算ではかずさは主人公がいないとダメなので、自分が先に確保してしまえば離れていかないはずなのです。お前は何を言ってるんだ。


WHITE ALBUM2-introductory chapter-』は、基本的にお人好しで自分勝手になれない主人公北原春希と冬馬かずさの二人が、彼女の無邪気で悪気のない攻撃の数々に晒されてボロボロになる話です。あるていど自業自得な主人公はともかくとして、かずさのかわいそうなことといったら! なんであの子何も悪いことしてないのにあんなひどい目に合ってるの。
……どこが教科書的だこれ(笑)。

雪菜さんのマジハンパない行動集

以下、彼女のハンパない行動の数々を列挙していきます。ああかずさかわいそう。

  • 春希を少し観察しただけであっという間に好感度MAX*1
  • かずさの話を春希から聞いて機嫌悪くなる→自分の話を春希からかずさに話させる→かずさの機嫌が悪くなったのを確認してうれしそうに「だよねえ
  • いっぱい声かけられてすごいねとかずさを褒める→お前がいるからだろと突っ込み→「一人だとだいたい2人くらいだし
  • 彼を好きなことをバラされたくなかったら一緒にバンドやれとかずさを脅迫
  • 二人だけで仲良くなりかけるといつもスネる
  • 二人のやりとりをドアの外で体育座りで聞きながら「傷ついてー傷つけられてー♪
  • 寝ている春希にこっそりキスするかずさを目撃→すかさず起きた春希にキスを迫り「こんなふうに自分から迫る予定じゃなかったんだけどなあ
  • やるだけやっといて「春希くん取っちゃったんだよ? いいの?」とかずさに迫る
  • 三人でいるときは恋人モード禁止。かずさを傷つけたくないから
  • もうマジ三人でいるの辛いんで勘弁してくださいって二人の無言の叫びは基本スルー
  • むしろ三人で温泉旅行に行こうぜ。あ、混浴も一緒に入ろうね? 当然恋人モード禁止ね?
  • 旅行から帰ってきたかずさは一人で号泣(当たり前だ)
  • 「バランスをとったつもり」「二人が真剣すぎたのが計算違い」お前は何を(ry
  • 「どうしてこうなっちゃったんだろう……」お前は(ry

彼女に悪気はありません。
こないだのオフ会でホワルバ2を途中までプロジェクタで実況プレイって流れがあったんですが、ヒロインとのキスシーンでものすごいブーイングが起こるゲームってそう無いよね。僕はあの瞬間ニコニコ動画弾幕を幻視したよ。*2


雪菜さんマジパネェっす。

*1:初見だと自然に見えるけど、よくよく考えるとアレはおかしい。春希はFateの士郎のような変なキャラ付けがされていて、好感度アップに時間がかかる設定。例に漏れずかなり過去の積み重ねがあるかずさに比べて、雪菜さんロックオン早すぎ。

*2:でも凄い勢いでブーイングを飛ばしていた彼は、帰った後Twitterに写真付きで購入報告をしてました