垣根を越え、野生の才能が結びつく - 『マクロスE』最新作登場

(↓電波を受信したシリアさん)
【声MAD?】マクロスF 5話を演じてみた【エキサイト再翻訳】‐ニコニコ動画
【声MAD?】マクロスF 5話を演じてみた【エキサイト再翻訳】‐ニコニコ動画(ββ)
さて、昨日お伝えした通り期待の『マクロスE(Excite)』最新作がニコニコ動画に投下されました。
マクロスE』とはマクロスF』の台詞・挿入歌をExcite翻訳で日本語⇒韓国語⇒日本語と再翻訳して野生の声優達が大真面目に吹き替えし、無音の本編動画に合わせたニコニコ動画の人気シリーズ。過去にニコ動の総合ランキングで連続トップを達成しており、既に当ブログでもたびたび話題にしている動画なので説明不要かとも思いますが、知らなかった方はうちの過去の紹介記事か大百科記事あたりを参照していただければと。

今回のマクロスEはいままでやってきた「ライブ+戦闘シーン」の一部再翻訳ではなく、「日常シーン」が中心の第5話をOP〜EDまで全編丸々再翻訳に挑戦した大ボリュームの動画になっており、本編の他にも冒頭と中間に挟まれたCM、前回の最終話ですっかりファンになってしまった後見えてきたことなど、色々と書きたいことが溜まってます。なるべく短くまとめるつもりなので、少々のお時間お付き合いください。
以下は動画本編のネタバレを含みます。

原作の販促をはっきり意識したCMを挿入

(※動画冒頭のCM部分。上部にニコ割バナーでニコニコ市場へのリンクが貼られている)

今回の動画でまず最初に驚かされたのが、いきなり原作『マクロスF』のCMから入るところ。いかにもTVで流れてそうなCMです。
もともとプロっぽい吹き替え+自前SEだったのに、今回は24分のフル版動画の上、CM後に製作グループ名『PROJECT NO BORDER』の動画ロゴが流されること、中間あたりの実際のTV放送でCMが入る場所にもアイキャッチ+CMが挿入されることもあり、違和感無しにひとつのTV番組っぽい印象を受けます。
(※CM後に流れる動画ロゴ)


(※中間のCM+アイキャッチ

実はこのチームが原作のCM動画を作ったのはこれが初めてではなく、単品で『マクロスF』宣伝動画を投下していたりします。
【エキサイト】マクロスEがマクロスFを宣伝してみた【再翻訳ではない】‐ニコニコ動画(ββ)
……さて、この行動の意図を考えると、まず純粋に原作の『マクロスF』が好きで広がって欲しいから、というのは大前提として、コメントで「よっぽど削除されたくないんだなwww」とか言われてたりメンバーの水道水氏が「生き残りたい……! 生き残りたい……!!」という広告を打っているところから推測できるとおり、「今回は全編やっちゃったしなるべく消されにくくなるといいなあ*1って狙いもまあ、あるよね。そりゃこれだけ大人数でここまでのものを作っちゃったら……ねえ?
もし仮にこれを映像無しにした*2としてもすごいことやってるのは変わらないし消える心配もほぼ無くなるだろうけど、本編の映像無しで同レベルの魅力が出たか? といえばそれは断じて否でしょう。原作映像・楽曲の圧倒的な魅力で引っ張られてる部分がかなり大きい動画なのは否定できない……というかむしろ改変する部分を限定して、そこに関しては元映像や音源に負けないクオリティを目指しているからこそ、こんなふうに「大真面目にバカをやってる」おもしろい動画が出来るんじゃないかなー。
なので、このCM周りの行動って本人達にしてみれば駄目元というか祈りというか、実際のところそのへんの意識でやってることなんでしょうけど……うちで一緒に見てたいずみの(id:izumino)さんは、「本人たちにとっては守りの姿勢でも、視聴者には攻めの姿勢に見えるかも」とか言ってました。ぶっちゃけた話ニコニコ動画周りで必ず定期的に出てきて、かつ必ず賛否両論となる「僕らが勝手に面白い二次創作動画を作って宣伝します」って思想が服を着て歩いてきたかのように視聴者には見えるんじゃないかと。
実際どれくらいDVDやBDが売れるのか、それを見たバンダイがどういう対応をするのか、消されるのか生き残るのか、プロジェクトの面々の心境は……無責任な言い草ですが、ちょっと興味深いところです。近いことをやってる動画なら過去にたくさん見たことあるけど、なんせモノがアニメ本編だしバンダイだし他でもないマクロスEだしなあ。

ところで、直接関連する話ってほどではないのだけど、実は別ジャンルの「ゲーム実況」だと既にプロゲーム実況プレイヤーが誕生してたりしますよね。この「えどふみ」の二人組は、ゲームの公式サイトに宣伝目的の実況プレイ動画を提供するほか、現在はニコニコ動画に上げている動画も全て企業に許可を取ってからアップロードしているのだとか。
まあ、さすがにこういうのがアニメ本編の二次創作で実現するってのはほぼありえなさそうだけど。

企画・総指揮・動画音声編集担当Windress氏の影響力

僕は最終話を見てすっかりこの『PROJECT NO BORDER』の面々のミーハーなファンになっちゃったので、普段は歌ってみた観測外のくせににわかに色々と関連動画も巡回してたり。実はこの新作見る直前もCM動画からリンク貼られていたマクロスEメンバーによる「七色のニコニコ動画」歌ってみたシリーズを巡ってました。
【2周年】七色のニコニコ動画を歌ってみた(byレジ)【記念】‐ニコニコ動画(ββ)
七色のニコニコ動画を歌ったり喋ったりしてみた*LIQU@。‐ニコニコ動画(ββ)
七色のニコニコ動画、歌ってみた!/水道水‐ニコニコ動画(ββ)

どの動画でも「ライオン」→「星間飛行」パートで予想通りすぎる展開になってるあたりがすっごいオモロいw
いや本家ではないから! でも持ち歌乙という。


で、彼らは普段は歌ってみた動画の歌い手として活動中の面々なわけですけれども、マイリストから色々と過去の動画を巡っていると、アルト役で同時に企画・総指揮・動画・音声編集担当でもあるWindress氏の普段の活動も徐々に見えてきます。
「創聖のアクエリオン」を歌ってみた(byレジ)‐ニコニコ動画(ββ)
炉心融解を歌ってみた(byレジ)‐ニコニコ動画(ββ)
例えば、僕が見た順番と同じようにレジさんの「アクエリオン」→「炉心融解」の順に聞いてみるとわかりやすいかとは思うのですが……歌が上手くなってるのとは別に、音の良さがちょっと同じ人がアップしてるものとは思えないくらい改善されているんですよね。

注目していると、良くなった後には案の定Windress氏の名前が。
どうも彼は普段このように他の歌い手のミキサーとしての活動をけっこう長期間続けてらっしゃるようなのです。たぶん年単位。聞き比べればわかると思いますが、その効果のほどはかなり露骨です。これを見ると、本来の魅力を発揮しきれていない歌い手が一体どれほどいるのかと心配になるくらい。
(ちょっと失礼な言い草で恐縮ですが)マクロスEの声優をやっている面々にはジャンル内じゃなくても名前くらいは聞いたことがあるほど超有名な歌い手は一人も含まれていません。
普段は上記のような草の根活動をしているWindress氏がそんな面々の指揮をとり、壁をぶち壊してニコニコ動画のランキング一位にまで突き抜けてしまうというのは……実にロマンのある話だよね。
見事に天元突破。お前らのドリルは天を突くんだぜ。
メイキング オブ マクロスE 【SE編】‐ニコニコ動画(ββ)
本編と違ってこっちはまだ見てない人も多いと思うんだけど、SEのメイキング動画とかも見てみるとさらに感動しますよ。なにこの努力。
これを見て僕が「ほとんど実際のアニメで音源作ってるようなもんじゃ……」って言ってたら、一緒に見てた人から「いやアニメ製作はもっと効率化されてるはずだから。むしろ大学の映研とかアニ研がやってることに近いのでは?」と突っ込まれました。

見所色々

最後にちょっとした名場面集を。特にネタバレ要素が強いので、以下は「続きを読む」記法使います。



前回はかわいさよりも上手さが目についたLIQU@さんのシェリル(シリルシ/シリア)ですが、今回の敬語シェリルはかーなーりーの破壊力……個人的にMVPかも。

なんなの!?
こっちが聞きたいわw

マクロスEについてヒトラー総統がお怒りのようです‐ニコニコ動画(ββ)
前回の最終話でお怒りになっていた総統閣下が、なんと今回はギター演奏に参加してたそうな。その他にも演奏や絵師としての参加の方が多数おられるみたいで、「PROJECT NO BORDER」の名前は伊達じゃないようです。


……うん、キリないね!
その突っ込みどころのオンパレードっぷりは、ほぼ50%付近をキープしてるコメント率から推測せよ。まさにこれぞニコニコ動画
今回も全編見所だからサッサと見れ! ということで。

さあ、ぼちぼちCAも増えてくるだろうから再視聴も楽しみだぜ。

*1:最終話もほぼ全編だけど

*2:実際過去作は消えることを考慮して本編映像無しバージョンも同時に用意されていた様子。