次世代HDDはメモリ? 話題のSSDとやらを試してみた

皆さんこんばんは。ちょっとお久しぶりの更新となりました。ラジオの最終回終わってちょっと魂抜けてたかも。
さて、ブログも更新せず何をしていたかといいますと、どうも衝動的に欲望が爆発してしまったようで32GBのSSDを2つ買ってきてRAID組んだりしてました。今のPCに特に大きな不満無いのに何やってんだろ僕と思わんでもないのですがもうやっちゃったもんはしょうがないし、ならせめてブログ記事に還元すれば多少は有意義になるでしょう。まあ最近話題になること多いSSDを実際に試してみた直後の生のレビューなら、気になる人もそれなりに多かろう。

SSDとは?

B0019CDOTC上海問屋セレクト デスクトップ パソコン用メモリ PC2 6400 DDR2 800 Long-DIMM 2GB x 2本組 (計4GB)
上海問屋

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B000M4XMGITranscend USBメモリ 8GB JetFlash V10 TS8GJFV10
トランセンド・ジャパン

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B000MSLW6GTranscend microSDカード2GB TS2GUSD
トランセンド・ジャパン 2007-02-05

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最近、メモリの値段もフラッシュメモリの値段も異常に下がってますよね。メモリをばか食いするVISTAが普及したこと等原因は色々あるのでしょうが、まさかHDDを凌駕する勢いで下がっていくとは。フラッシュメモリなんて数十分の一とかそんなレベルで下がっていて、今じゃギガ単位のものが普通に千円以下で売ってる。

メインメモリ用のDRAMフラッシュメモリ*1に追いつきそうな勢いで暴落していて、年末はソフマップで2G千円で売ってたらしい。すげえ投げ売り。年明けでちょっとは値段も落ち着いたようですが、それでも相変わらず安い。


で、このフラッシュメモリの大容量・低価格化を受けて登場したのがSSD(Solid State Drive)です。要するに「こんだけ安くて容量あるんなら、OS入れるドライブくらいはもうHDDの代わりにフラッシュメモリ使っちゃえばいいんじゃね? 早いし。」というノリ。

(※追記)
んで、メインメモリの大容量・低下価格化を受けて出てきたのがRAMDISKというもの(でいいんですよね?)。いくら安いからといって、基本的にメインメモリは必要以上に積んでも余るだけで特に良いことないはずなんですけど、その無駄に余ってるぶんを超高速な作業用ドライブとして活用することができるって技術らしいです。
まあSDRAMは揮発性あるから電源切ったらデータ消えちゃうので、作業用以外には使えないでしょうけど。
僕もついつい安いので4ギガぶん買っちゃって、いま常時メモリ8割以上余ってる状態なので、後でこちらも試してみようかなーと。


……や、まあ厳密に言うと色々違うんでしょうけど、エンドユーザーの理解としてはそれで十分じゃないかな。
※追記:やっぱ元の記述かなり乱暴だったようで、DRAMフラッシュメモリは技術的にも市場的にもかなり違うよー、と指摘されとります。なのでその二つを混同しそうな紛らわしい部分を修正しました。まあ、どっちもとんでもない勢いで値段下がってるというのは事実。)
通常パソコンのスピードというのはCPU→メインメモリ→HDDの順に遅くなっていくものです。そうでないと上位の速度がボトルネックになって下位がいくら早くなっても意味ないですから。なので、最下位にあたるHDDをより高速なフラッシュメモリに置き換えるというのはなかなかインパクトのでかいアイデアなわけですな。事実、「HDDをRAID0(※後述)組んでスピードアップしたら体感で露骨にわかるほどの効果がある」というのは既に実証されてますし。

ちなみに、別にデータの保存用に使ってもかまいませんが、それだとさすがに1テラ(1024GB)8000円前後にまで下がっているHDDのコストパフォーマンスにはかないませんねえ。

B001J2KHME日立GST Deskstar 7K1000.B(1TB/SATA3G/7200rpm/16MB) HDT721010SLA360
日立グローバルストレージテクノロジーズ

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メモリやHDDの大きさはものすごい勢いで進化しているけども、実はそんなのが必要な場面って動画などの同じく大容量なファイルの保存くらいでOSその他が要求するサイズは実はたいしたことない、という状況がSSDの強みです。OSと頻繁にアクセスするプログラムやファイルなどを置くドライブさえ早くなってくれればそれで十分で、逆にそれ以外にも使うにはちょっとまだお値段が高いかなーという感じかと。


でもこれ、このまま順調に発展していくようなら……そのうち最初からフラッシュメモリ内臓してそこにOSインストールして売り出す形のPCが主流になるかもしれないっすね。
今のSSDは一応HDDの規格に合わせた形になってるけど本来はそんな必要無いはずだし、もしそこまで行ったらHDD自体無くなる日も近いよな。ま、実際はそうサクサク行くもんじゃないんでしょうけど。

利点、欠点

簡単に利点と欠点をまとめます。
まず利点。

  • 速い*2
  • 静か*3
  • 衝撃に強い*4
  • 簡単*5

こんなところかな?
次に欠点。

高いのは言わずもがなの欠点として、2個目のプチフリーズが最大の不安要素でしょうか。

2008年7月頃よりMLC-NANDのSSD利用時においてWindowsの動作が一時的(プチ)に止まる、重くなる(フリーズ)という問題がネットにおいて多数報告されるようになった。

Flash SSD - Wikipedia

ショップの店員さんに確認したところ、現在手が出るレベルの値段にまで落ちてきている激安SSDと呼ばれる価格帯のものなら、たいていは発生してしまうそうです。ただ、ここ最近は低価格のものも質が上がってきているのか、ほとんど気にならない頻度に落ちているらしい。これに関しては、僕はまだ遭遇してないのでなんとも。
このプチフリの対策としては、RAID0(ストライピング)を組むとほとんど発生しなくなるそうな。はて、分散書き込みの効果でアクセスが集中しないおかげでしょうか? 実際に発生頻度下がるのかどうかはこれから僕が実地で検証することになりますが、話を聞いた店員さんは「それなりの個数組んだけどRAIDにしたやつは露骨に頻度下がってほぼ起こらないレベルですよー」と言ってたので、とりあえず信じてみます。
ま、たまに起こるくらいならいいや、ますます速くなるし。


(※追記)どちらかわからない点

  • 寿命の長さ

そうそう、忘れてた。SSDは広がり初めてまだそんなに経ってないので、寿命の長さが判断できないのが難しいところ。けっこう速い時期から使ってる人でもせいぜい半年くらいのものでしょう。現時点では数ヶ月ですぐ壊れたって報告が続出してるわけじゃないみたいなので、むちゃくちゃ寿命が短いということだけは無さそうだけど。
……このへんは現時点で手を出すなら博打になりますねえ。ま、元々HDDだっていつ壊れてもおかしくない消耗品だし、そう悪い賭けでもないのでは?

使用方法、予算

B000WCK00QTranscend 32GB SSD 2.5インチ SATA MLC TS32GSSD25S-M
トランセンド・ジャパン

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まず先に結論から言ってしまうと、予算は最低限で6〜8千円くらい*6で使用方法も普通のHDDと特に変わりありません。SATAケーブルと電源さしてOSインストールするだけ。かんたんかんたん。


あと必要になる可能性があるとしたら、SATA*7の電源アダプタとケーブルとマウンターくらいかな?

B0000CE5HYELECOM シリアルATA電源変換ケーブル 4pinコネクタメス-SATAパワーコネクタ 4pinオス-15pinメス CFD-SAT2P05
エレコム

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B000AS2Y6ASANWA SUPPLY シリアルATAケーブル TK-SATA-02BL
サンワサプライ

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電源アダプタとケーブルはワンセットくらいなら余ってることが多いと思います。仮に買ってもせいぜい数百円くらいのもの。

B000FHQ9R6アイネックス 2.5インチ→3.5インチHDD変換金具2台用 PA-012
AINEX

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一般的なデスクトップPC用HDDは3.5インチですがSSDはノートPC用のHDDと同じサイズなので、HDDと同じ場所にはマウンター使わないとマウントできません。これもせいぜい数百円。無理にHDDの場所に付けなくても、フロッピードライブやカードリーダー用の2.5インチベイが余ってたらそっち使えばいいです。*8
まあ本来ノートパソコンのHDDサイズに合わせたものだからなんですが、ノートにSSD積むのは容量の点でちょっとアレですねえ。HDD複数積めるノートならともかく、普通ノートのHDDは一個だろうし。

RAID組む場合

以上でまとめている利点や欠点を吟味した結果、6千円台まで落ちてる32GBのSSD×2でRAID0(ストライピング)組んでOS突っ込むのが一番幸せな道かなあと判断しました。
さきほどから何回も話に出ているRAIDというのは、

RAID(Redundant Arrays of Inexpensive (もしくはIndependent) Disks、レイド)とは、複数台のハードディスクを組み合わせることで仮想的な1台のハードディスクとして運用する技術。ディスクアレイの代表的な実装形態で、主に信頼性の向上をねらって用いられるものである。

RAID - Wikipedia

こういうもののことです。ただし、「主に信頼性の向上」とありますがここで言うRAID0だけはRAIDの中でも例外に位置するもので、特に信頼性はあがりませんが2台の全く同じHDDに分散書き込みすることで効率がうんたらかんたら……えー、まあ要するに速くなるわけです! それ以上の理屈は自分で調べるとよろし。
本来は速くなるけど信頼性は特にあがらない(むしろ不安)という方式なのですが、上に書いたとおり、SSDの場合はこのRAID0を使うとスピードだけじゃなくプチフリの頻度もさがる(らしい)のです。こりゃやるしかないね!*9


では、ここでRAIDの組み方まで解説し始めるとキリが無いし僕もそろそろ疲れてきたので、必要な情報だけちゃっちゃと挙げて終わりにしましょう。
まず、自分のPCのマザーボードの型番調べてRAID機能付いてるかどうか調べてください。*10

Southbridge : ICH10R
6 xSATA 3 Gb/s ポート
Intel Matrix Storage Technology RAID 0,1,5,10 対応
Marvell 88SE6111
1 x UltraDMA 133/100/66 for up to 2 PATA devices
Silicon Image Sil5723 (Drive Xpert technology対応)
2 x SATA 3Gb/s
EZ Backup and SuperSpeed functions 対応
※Drive Xpert はデータドライブとしての使用を推奨

P5Q 株式会社ユニティ

僕の使ってる「P5Q」には最初からついてました。*11
マザボに機能があったら↑に貼ってる以上の商品は何も必要無いです。マウンターも3.5インチベイに2台いっぺんに付けれるやつでちょうどいいし。もし無かったら、

B000LE12W0アダプテックジャパン PCI-Express対応S-ATA RAIDカード AAR-1220SA AAR-1220SA/JA ROHS KIT
ADAPTEC

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RAIDカード突っ込んでなんとかしましょう。
後は、

  • マザーボードRAIDカードの会社のHP行ってRAIDドライバ落とす、もしくはサポートCDかFD使う
  • それ使ってドライバディスク(フロッピー)作成
  • おもむろにSSDを二つ突っ込む*12
  • マザボBIOSRAIDオプションをON*13
  • RAIDの設定画面に入ってRAID0を構築*14
  • OS入れる
  • OSインストールする最初のところでF6連打。鬼のように連打。
  • そうするとインストール途中でフロッピー聞いてくるので、ドライバディスク突っ込んでインストール
  • インストール終わったらあら不思議、二つのHDDが一つに!

ね? 簡単でしょう? ……簡単じゃねえよ!!
いやまあ、慣れてしまえばそうややこしい手順ではないんですけどね。必要なドライバの種類も手順もマザボや使用したRAIDカードによって異なるし、これ以上詳しく書こうにも書きようがないっつーか、僕と同じ環境の人だけのためのTIPSになっちゃいますし。

で、速くなったの?

確かにむちゃくちゃ速くなりました。今のところ特に大きな問題も出ていません。
ただし、まだ時間あまり経ってないので参考にはならない!
……いやさあ、普通のHDDでRAID組んでもかなり速いんですよ? それをSSDで組んでしかもOSインスト直後*15なわけで。露骨に速くはなってるけど、これSSDのせいなのかRAIDのせいなのかOS再インスト直後のせいなのかいまいち判断できないw
恩恵をはっきり自覚できるのはもう少し後かもなあ。それから書けよ! といわれるとアレですけど、やっぱこういうのって動いた直後でないといまいち臨場感もやる気も出ないので、勘弁してください。
この他、利点や欠点などでここらへん忘れてるよーってのがあれば教えてくれると敷居がとても喜びます。極めて重大な情報なら本文も修正します。個人ブログはフットワークが命!(最近ほったらかし気味だけど


だいたいこういう情報をネットで調べると、詳しいけど専門用語だらけで理解できないか端的すぎて参考にならないってパターン多いよね。自分はそのへんの隙間を狙おうってのを前々から意識しております。俺は敷居の先住民。

4757702116敷居の住人 (1) (Beam comix)
志村 貴子
エンターブレイン 2000-09

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元ネタ貼ったの初めてかも。

ベンチマーク

複数要望があったのでベンチマーク載せますー。
これだけやっといてベンチ載せないとか馬鹿なの死ぬの? って感じですけど、僕あんまりベンチマーク取る習慣って無いんだよね。なんか色々遊んでみて体感的に速くなったらわーいわーいと喜んで満足して終了するという。駄目だろそれ。新しもの好きだけどいいかげんなんだからもー。
「CrystalDiskMark2.2.0」を使い1000MB×5回で計測しています。上から順にシーケンシャルREAD/WRITE、ランダム512k、ランダム4k。測定PCのスペックはcore2duoE6600,Intel P45チップセット,メモリDDR2の1G×2,2G×2。


まず32GBのSSDでRAID0組んでOS突っ込んだドライブ。Transcendの「TS32GSSD25S-M」×2。(※↑に貼ってるSSD

比較用に普通のSATAHDDのベンチも。HITATIの「HDT721010SLA360」。(※これも↑に貼ってるやつ。あまりに安くなってたので使う予定も無いのに衝動買いしちゃった。)

さらに、ちょうど型番が同じHDDが二つ余ったので、ASUSのP5Qに付いてるデータドライブ専用のRAID機能「Drive Xpert」の「SuperSpeed」(RAID0)モードを使ってみました。普通のRAIDよりも直感的にできるってのがウリみたいですが、大して手間変わらんかったような……。HITATIの「HDT725032VLA360」×2です。


……ちょ、SSDはええ!
順読込で倍以上、ランダム読込はなんと5倍以上。予想以上に圧倒的な差が付きました。確かSSDって「ランダムに強くて書き込みは弱い」って特徴だったはずだけど、書き込み速度も普通にHDDより速いよどういうことなの。
あと、Super Speedモードがなんか遅いですね。普通のHDDとあんまり変わらん。んー、なんか失敗してる? SSDとHDDのRAID0速度の比較用になるかと思ったのに、これでは参考にならんなあ。

*1:どっちも「メモリ」だから紛らわしい。メーカー見るとフラッシュメモリで台頭してきたところがいくつか混じっているような

*2:や、それが目的だし。なんせディスクのシークタイムが無いから、ベンチマークより体感速度はやそう。

*3:そりゃディスク無いですし

*4:そりゃディスク(ry 落としたら即お亡くなり必死なHDDと比べての話ね

*5:普通のSATAのHDDと全く同じ感覚で使えて楽

*6:AMAZONのちょっと高い、店で見たら6千円台であったよ

*7:現行の一般的なPCのHDDやDVDドライブはほぼこの規格。普通は最初から付いてます。

*8:SSDは中にディスクが入ってないぶんHDDドライブに比べてだいぶ衝撃に強いので、実はそれほどしっかり固定する必要も無いです。乱暴なことを言っちゃえばケーブル伸ばして剥き出しの状態で外に置いてもそんなに問題無いんじゃないかな。2.5インチのサイズも、ほんとはそんなに必要無いけど規格に合わせるためにそうなっているのでは。中身メモリですし。

*9:とはいえ、RAID0は一個壊れたらもう一個もまとめてお亡くなりになると考えておいたほうが無難みたい。僕も過去に一度やられましたので、そのへんは注意ということで。

*10:この時点でわからないようならRAIDなんか組んじゃ駄目です。

*11:でもASUS独自のRAID機能のDrive Expertなんてのもおまけについててちょっと紛らわしかった。そっちは設定楽だけどOS入れちゃ駄目らしい

*12:RAIDカード使ってる場合はカードのポートに

*13:マザボRAID機能が付いてる場合

*14:マザーボードRAIDカードによって違いはありますが、だいたいはBIOS行く画面の次に切り替わったあたりでctrl+fとかctrl+iとかを高速で素早く! すぐ切り替わりやがるので

*15:RAID組んでなくても軽いし、たいていの問題は再インストすれば直るよね