特定ジャンルの物事を広くアピールするには一般化が必要

mame-tanukiさん
この大イベントに対して、”外”の人たちの関心を引くにはどうしたら良いか。たぶん、「これはスゴいイベントだったんだよ」という絶賛記事では、普段ニコマスに興味が無い、あるいは嫌っている人々の興味は引けない。じゃあ、「異常性」「ニコマス厨」「キモイ」「中国」....そんなネガティブなイメージの単語をタイトルや冒頭にちりばめて、好奇心を煽ってはどうだろう。そして、はてな界隈では有名な桟敷さんのような「ニコマス論壇」の面々では無く、自分のような無名の伏兵が記事を仕掛ければ....


>gouzouさん
ところで、やっぱり『外』からの反応は気になります。「ニコニコ好きの『外』」じゃなくて、「アイマス好きクラスタの『外』」の。
にゃあさんのところのブクマコメ(http://b.hatena.ne.jp/entry/http://d.hatena.ne.jp/nyaa1/20080617/p1)でも触れられていましたが、やっぱりアイマスファン以外から見るとキモいと思われてたりするのかも。私も確かにあの日はランキングを席巻していて申し訳ない気持ちになっていましたし。

歴史に残る一日。〜24時間アイマスTVをふり返る - 敷居の先住民

ふむふむ、お二人とも同じこと言ってますね。ある特定ジャンルの物事を「外」へアピールするにはどうすればいいかという話。
僕の少ない経験でわかるのはブログの記事ならどうかということくらいですので、どう考えてどう工夫してきたのかを書いてみます。ご参考まで。


ブログで「外」の反応を見てみたいのなら、一番重要なのは「いかに一般化するか」ということかと思われます。当たり前の話ですけど、一般化しないことにはそのジャンルに興味がある人以外は見向きもしませんよね。
一般化できない特殊ケースまで強引に一般化させてしまうと本末転倒な釣り記事になっちゃってアレですけど、他の二次創作、ニコニコ全体、ネット全体、探せばいくらでも関連する部分は見つかるものです。自然に一般化して語ることは十分可能かと。

んーと、この二つのiM@S架空戦記の記事あたり露骨に意識して書いたのでわかりやすいかな。上の記事はアマチュアのクリエイターが見られていることを意識して反応が即返ってくる環境に放り込まれることによってどのようなことが起こるのか、下の記事は文章による二次創作の新しい形としての紙芝居動画の紹介……という具合に一般化しています。
そして、記事の目的はもちろん取り上げている動画とiM@S架空戦記というジャンルを薦めることですが「動画名」も「iM@S架空戦記」も「アイマスアイドルマスター」も記事のタイトルには使っていません。なぜなら、あの時点では*1、それらの言葉を出した時点で読者を限定することになるからです。どこかに記事が貼られたとして、「アイドルマスター」の一文がタイトルに入ってたらその時点でアイマスに興味ある人しかクリックしません。仮に上の記事のタイトルが「アイマスエストが面白い」「iM@S架空戦記が広がっている」だったとしたら……断言しますが、見にくる人半分以下になってたはず。
うちは現在「アイマスMAD紹介サイト」として認識されているだろうし実際にニコマスのことばっかり書いていますが、僕自身はアイマスMADがメインの「ニコニコ動画」紹介サイトだと思っています。サイドバーに貼ってる人気記事を上から順に見れば、ほとんどタイトルに「アイマス」という単語は使っていないことがわかるはず。*2
ぶっちゃけ「アイドルマスター」をブログで扱うということは強みじゃないです。それでも広くにアピールしたいなら、無理を通して道理を引っ込める必要がある。ターゲットを無理矢理ニコニコ動画に興味がある人全体にまで広げようと思ったら「アイマス」という単語を使っちゃ駄目なんです。本文で使うのはやむを得ないけど、極力アイマスを知らなくても理解できる内容にしなければならない。

僕がニコニコ動画にはまったきっかけってたまごまごさんのこの記事なんですけど*3、「ネットで味わうトランス空間」「ダンスフロアー」という表現に、実際にそうとしか思えない映像に、完全にやられました。そして、もし自分が人に何かを薦めるなら、こうありたいと思いました。
この記事は「ニコニコ動画」という単語をタイトルに使ってませんね。ターゲットにニコニコ動画を知らない人を含めるのなら、「ニコニコ動画」という単語を使っちゃ駄目なんです。現時点ではもうニコニコはネットユーザーの大半に通じる単語になってるけど、当時はそうじゃなかったから。


人に何かを紹介するということは、翻訳すること。英語がわからない人に英語をそのまま見せても通じるわけないんですよね。「book」という英語を教えるなら「本」という日本語に訳さなければならない。当たり前のことだけど、これがなかなか難しい。
でも、動画紹介メインのブログってそのへんかなり楽です。だってそのものずばりを貼れちゃうんだもん。一発クリックしてハマってくれたらもう紹介成功ですよ。ブログで自分の好きなものを紹介して興味を持ってもらうためにあれこれ工夫している人からしてみたらかなりズルく見えるんじゃなかろうか。そのおかげで僕のグダグダな翻訳でもぼちぼち通じてくれてるんじゃないかなあ。


まとめると、
特定ジャンルの物事をブログで広くにアピールするなら記事内容及びタイトルの一般化が必要
……なんか当たり前のことを偉そうにぐだぐだ書いただけのような。まあ、きにすんな!

余談 タイトルを考えるニュースサイトは誕生するか

以前いずみのさん*4マンガ☆ライフの水音さんとオフしたときに、こんな感じのブログ記事のタイトルについての話題になって、そこで記事の内容をきっちりと読み込んでばっちりなタイトルを付けて紹介するというニュースサイトは現れないものか? という話が出たんですよ。たぶんいずみのさんが言ってたんだっけかな?
要するに、宣伝はブロガーじゃなくて紹介する側が全部担当するという。そうすればブロガーは本文のみに力が注げて、役割分担的にいい感じになるんじゃないかと、そういう話だったはず。確かに、タイトルが大きく影響するのってどこかしらに紹介された後の話なんだよね。記事内容とは本質的には関係無い。でも、タイトル一つで興味を持つ人の数が何倍にもなるってのは実感として知ってることなので、無視もできない。
もちろん勝手にタイトル変えるとか揉め事の元だし、ニュースサイターにかかる負担も半端じゃないだろうから実現は難しいだろうけど、面白いアイデアではあるよね。誰かコピーライター志望の人とかが挑戦しないかな。

余談2 内向きの指向とは必ずしも対立しない

ちなみに反対に「外ばかり気にしないでもっと内に目を向けるべきだ」という意見もあるのはご存じかと思います。もちろん、僕も内輪で楽しくやることを否定するつもりはありません。そこがニコマス界隈の良いところであるというのはわかっているつもりです。ある程度まとまったコミュニティというのは現状維持を指向するということも。
ですが、大は小をかねるとまでは言いませんが、外向きを意識する=内を蔑ろにしているというものではないはずです。
また、どこまでを内輪とする線引きを誰がするのか、誰もできないのではないか、という気もするのです。さて、三ヶ月前の自分はどうだったのか、半年前は、一年前なら? ということを考えてみてはいかがでしょう。そうやって身内の範囲を狭めていくと、アーケード版からの筋金入りのファン以外は誰も身内ではないことになっちゃいませんか? ニコニコ以降のファンの僕としては、出来るだけ来るもの拒まず、去る者追わずの精神でお願いしたいところです。
新参が許せないことをすることもあるでしょう、そのときまで黙っていろというつもりはありません。でも、仮に嫌なことがあったとしても、新参という、ただそれだけで拒むようにはならないようにしましょう。

*1:今でもまあそうかな

*2:例外は大騒ぎになった上に騒ぎの震源地のひとつになっちゃったツンデレカルタくらい

*3:このあとリンク貼られてるなつみかんさんの記事へ飛んで、完全にニコ厨

*4:id:izumino