『傷物語』は変態という名の紳士だった。

傷物語 (講談社BOX)

傷物語 (講談社BOX)

まなめ王子Twitterでさんざん聞いた噂どおり、エロかったよ!
ぱんつぱんつ! だった。あとおっぱいおっぱい! でもあった。


……いや単にエロいだけじゃなくて、前作化物語同様、最初から最後まで腹を抱えて笑わせてくれる極上のエンターテインメントですよ?

化物語(上) (講談社BOX)

化物語(上) (講談社BOX)

化物語(下) (講談社BOX)

化物語(下) (講談社BOX)

なんかこのへんあんまり言葉尽くす必要を感じないんだよなあ。冒頭ちょっと読んで文章楽しめるならもう勝ちって感じの小説なので。
というわけで、冒頭からちょっとだけ引用してみる。
以下部分的にネタバレ注意。

 「なんて言うか、さあ」
 とん、とん、とん、と。
 両足を揃えたまま、膝のクッションで跳ねるようにして、羽川は僕の方へと寄ってきた。
 十歩あった互いの距離を、三歩の距離まで詰めてくる。
 ちょっと近いくらいの距離だ。
 「見られたくないものを隠すにしては、スカートって、どう考えてもセキュリティ低いよね。やっぱり、スパッツっていうファイアウォールが必要なのかな?」
 「さ、さあ……」
 そんな比喩で話されても困る。
 じゃあ、僕はウイルスかよ。
傷物語』-20Pより

 「ま、まあ気にするなよ。見てないというのは嘘だけれど、影になってよくは見えなかったし」
 これも嘘だが。
 やばいくらいよく見えた。
 「ふ、う、うん?」
 羽川は首を傾げる。
 「はっきり見えたんならそう言ってくれたほうが、いっそ女子的には気が楽なんだけれど」
 「い、いや、そう言ってあげたいのは山々なんだけれど、しかし事実は偽れないからな」
 「そうなんだ。偽れないんだ」
 「ああ、気を楽にしてやれなくて残念だ。いっそ僕に嘘がつけたらと思うよ」
 さっきから嘘しかついてない男の台詞である。
 「およそ四ページに亘って、私のスカートの中身が細部に至るまで丁寧に描写されたように感じるのは、錯覚かな?」
 「錯覚錯覚、超錯覚。さっきまで僕は、情緒豊かな美しい風景を描写していたところだよ」
 これは微妙に嘘ではなかった。
同21P

もちろん、この直前、本当に風でスカートがめくれた描写をおよそ四ページに亘って続けているのは言うまでもない。
いや普通にストーリーもおもしろいよ。おもしろいのだが、全編通してぱんつとおっぱいに対する拘りが異常である。


変態という名の紳士と言わざるを得ない。