一つの作品を全力で紹介するのこと。

ここ最近アイマスのPさんや紹介ブログさんとの交流がだんだんと増えてきまして、色んな人の話を聞いているうちに僕の普段の動画紹介に足りてない部分というのが見えてきました。……どーも一つの動画を詳細に取り上げるってのが明らかに苦手なんだよね。どちらかというと周辺情報から外堀を埋めていく感じのほうが得意。
人には向き不向きってものがあるんだしまあいいかなーとも思うんですが、それでいつまでも挑戦しないままってのも悲しいよね。


ということで、今回は一つの動画をいつもよりちょっと詳しく取り上げてみます。お題はこちらの動画。

現在開催中の坂本真綾オンリーイベント「Maay@s」で発表されたタクヲPの作品です。
参加作品のリストはこちら。

既にかなりの数が発表されていますね。
この中からなんでこれを選んだのかというと、なんか全編にわたって作者の意図がパンパンに詰まっていて、頭から見直して再確認したくなる動画だったので。



まず動画冒頭。はい、どアップですね。
この動画は、最初から最後まで一貫してアップ中心で動きも最小限に抑えられています。アイマス動画を見ていて一番目にすることが多い画面の真ん中でアイドルがダンスしている構図がとても少ない。だからカメラがロングにググっと引いて全体の動きが見えたときに快感があるんだよね。
いやこれタイムリーな話でして、ちょうどアイマスMADって中心にアイドルがいる構図を崩した作品とか、動きにタメがある作品ってけっこう少ないのでは、という話を聞いたところだったんですよ。んー、最近けっこう増えてきたような気がするけど確かにそんなに多くはないかなあと。
で、そんな話を聞いた直後にこれを見たら、おお、まさにそれを意識して作られてるじゃないか! と驚きました。中心にアイドルを置くことにこだわっていない*1



例えば、この一連の動きって画面の中心が「腕」なんだよね。腕の動きに合わせてカメラが動いて、一回見切れてから戻ってくる。そこまで動きが最小限に抑えられてるところに急にカメラごとダイナミックに動くから、とても気持ちいい。


それだけじゃなく、歌詞の内容に合わせた演出にもかなりこだわっているみたいで、



これスクショで見てわかるかな? 「明かりが灯るの」って部分で実際に明るくなって、向かいにいる千早にその明かりが照り返してるんですな。照明の明るさを変える演出は、この部分以外もポイントポイントで複数回投入されています。
「夕暮れ」というフレーズがあれば夕暮れの街並みを透過して重ねてみたり、「耳を澄ませる」という歌詞なら耳を澄ませる表情であったり、「空の果て」という歌詞があればカメラが上に動いていく。これ5分超の長い動画なんですけど、最初から最後まで意味の無い部分を一切作りたくないと言わんばかりです。


ゆっくりとした曲調に合わせた動画なので、特にこういう細部のこだわりがわかりやすいというのもあるかな。
ただ、見た人を一気にもっていくには激しい動きが少なすぎるので、途中でジェノちゃってる人もいるかなあ……たぶんサビまで見てしまえば最後まで引っぱられると思うんだけど。

サビに入る瞬間の雪歩の表情とか鳥肌もん。そこまででピンと来てなくても一気に引き込まれると思う。




最後の最後にそこまで徹底して嫌ってきた中心に三人が並ぶオーソドックスな構図をもってこられたときの衝撃と来たら! 途中で止めてここまで辿り着かないとか、あまりにももったいないですぜ。

*1:こだわるというか、見切れる構図作るほうがめんどくさいからわざわざやる人が少ないという話でしょうけど