アイマスMAD作者別まとめ「オンナスキーP」


(やよぴったん)


この間取り上げた解説動画でのあまりのキャラの立ちっぷりに惚れこんでしまったので、今回は予定を変更して*1オンナスキーP」をピックアップします。
わかっているつもりだったけど、あらためて見直してみるとこの人の芸風の広さはほんとにおもしろい。

ニコニコで最も再生されているアイマス動画の作者

オンナスキーPを知らない人でも、この動画の存在なら知ってるんじゃないでしょうか。ニコニコ総合6位、アイマス動画なら当然一位のトータル73万再生、アイマスCDTV第1位、言わずとしれた「やよぴったん」です。たぶんもっとも有名なアイマスMADはこれじゃないかな。
最近ニコニコでは「β時代の英雄」というフレーズで古い作品が見直されたりしています。「古い作品」といっても、せいぜい数ヶ月前くらいのものだったりするのですが、ニコニコ内部の時の流れはほんの数ヶ月前のものですら「懐かしい」と思わせるほど早いんですよね。で、「やよぴったん」もそのβ版時代の作品なんですが、これに限って言えばあまり「β時代の英雄」というフレーズはピンときません*2。数千の単位を数えるアイマスMADが毎日のように消費され忘れ去れていくなか、この作品はずっと現役で再生され続けていますからね。「アイマスのダンスと別音源を綺麗にシンクロさせる」というアイマスMADの基本形は、この作品の時点でほぼ完成していました。
余談ですが、近日中に「やよぴったん」の再生数を抜くと思われるしーなPの「Princess Brade!*3が同タイプのシンプルなMADであり、さらについ最近に出現してアイマスMADの新たな代表作の一つと言われるようにまでなったわかむらPの「パーフェクトスター*4がダンスのシンクロよりも動画の加工に重点を置かれた作品であることは何か象徴的です。この二つの丁度中間あたりで、職人の意識の境界線がありそう。


↓千早バージョン

ノーマルのプレイ動画もUPする

ニコニコでやよいのいるMADを見ていると、やたらコメントで小銭が乱舞したり「12円」だの「38円」だのといったフレーズに遭遇したりしたことはありませんか? これがその元ネタのプレイ動画。こういう面白い部分を抽出して見せることで、ニコニコ内部でのアイマスキャラのキャラ立てに貢献しています。
そして、そうやって自ら広めたキャラを利用してこのようなMADを作るわけです。

途中までは完璧に真剣なMADを作っているのに、後半をネタで全部塗りつぶしてしまえるオンナスキーPの感性が僕は好きです。


他にも、彼は平成生まれの乳をタッチしまくった動画をUPした猛者としても有名。

一発ネタも使いこなす

どちらもコメントが面白いので消さないように。
歌も踊りも編集無しのノーマルなPVらしいです……まあ嘘ではないんですが。

Forza2」の痛車作りにまで参加

知ってる人も多いと思うのですが、「Forza2」というレースゲーム内のペイント機能を使った美麗な痛車作りが一時期話題になっていました。知らない人はここらへん参照。

簡単に説明すると、記号や色を組み合わせて絵を書けるというゲーム内の簡単なペイント機能なのに、どう見てもPCから取り込んだとしか思えないような絵を描いてしまう人が続出したという話。この記事で引用されている海外フォーラムの反応が面白いです。

「この病人どもめ!」
「これによって俺の健康が損なわれてしまった。あまりの衝撃に口から泡を吹きっぱなしだ。凄すぎて脳が溶けちまったよ!」
「俺には日本人が俺たちと同じ星の人間だとは思えないよ」
「なんて細かく描かれた糞なんだ!メーカーはMSポイントを賞金としたペイントコンテストを開くべきだよ」
「いかれてる。これが日本のレビューで高得点を取った理由なんだな?」
「これは画像をインポートしたの?それとも内部での組み合わせ?」
 →「後者だね。それがこのカスタムカーを印象深くさせている理由のひとつだよ」
「なんてことだ。俺は仮想世界でも再び日本人から車を買うハメになるというのか!」
「これは前作と同じシステムを使ったペイントってことか?だとしたら俺は彼らに拍手喝采を贈らなくてはならない」
「『やらないか』ガイがいるぞ!」
「奴らは非常に優秀なオタクで、奇妙な技術と有り余る時間LOL(=爆笑)に恵まれているんだよ」

日本人らしさの炸裂した面白いニュースでしたね。


だからなんだよ、今回の話と関係ないじゃないか、と思われるかもしれませんが、このペイントカー作りにはオンナスキーPも参加しています。

見ればわかると思いますが、上記のスレッドやニコニコなどで多数公開されているペイントカーに勝るとも劣らない出来。
MAD作成の傍らこんなことまで! どんだけ無駄にマルチな才能持ってるんですかこの人は(笑)。

もちろん普通のMADも作る

そして、こちらがオンナスキーPの最新作。エフェクトや背景加工などを駆使して、技術がインフレを起こし気味なアイマスMADのメインストリームにもしっかりついてきています。
今回の紹介するきっかけとなった編集行程の解説動画は、この作品の解説をしたもの。「流行ってるから真似した」とか「ごまかすのに便利」とか、ぶっちゃけっぷりが素敵すぎます。この解説動画で、オンナスキーPのマルチなスキルにさらに「トークもいける」という項目が付け足されました。


オンナスキーPはこの手のごく普通のMADもけっこう作ります。特別派手なことはやってなくても、個々の演出を見るとやっぱこの人は見せどころをよく分かってるなあと思いますね。黄色いバカンスの「セ・ク・シー」ってセリフの使い方とか。

以上を見ればわかるように、オンナスキーPはニコニコのβ版時代からアイマスジャンルの動画を支えてきたベテランであり、たった一人のタグを巡るだけでネタから本気のPV、プレイ動画、本人のトークまで楽しめてしまうという、希有な作者と言えるでしょう。まとめるために色々と動画を回っていたら、本気で最敬礼したい気持ちになってしまいました。

*1:次はしーなPかわかむらPあたりを狙うつもりだった

*2:「とかちラーメン大盛り」あたりならピンとくるんだけど

*3:70万再生

*4:37万再生