破壊魔定光

破壊魔定光 第12巻 (ヤングジャンプコミックス)

破壊魔定光 第12巻 (ヤングジャンプコミックス)

 

 こないだまとめ買いしたのをまとめ読みしてます。いやー、やっぱ面白いわこれ!

 
 簡単に説明すると、不良の主人公「定光」がたまたま拾ったヘルメットが犯罪宇宙人をとらえる人工知能で……色々あった末に協力して地球に次々飛来する「流刑体」と呼ばれる宇宙人と戦う……っていう感じ。まあ、よくあるSFアクションなんですよね、最初は。
 それがまあ……巻数が進むにつれてどんどんおかしくなっていくんですよ。基本SFアクションなのは変わらないんですけど、スケールの広がり方、投入されるアイデアの数が凄すぎてもうなんだかわけのわからないことに。


 例えば、2巻に登場する流刑体「破岩」は相棒のヘルメットと同じ「データ生命」、ようするにAIです。で、そのAIがなぜ流刑体になったか、という理屈が面白い。この作品の中では、AIは「義務を持ち、それを実行する意思があればすなわち生命と認められる」って定義がされてるんですが、この「破岩」の義務は「都市を制圧すること」なんですよね。で、「都市を破壊することは許されざる罪、データ生命として罰を受けるのは当然だろう?」という理屈になる。作られた瞬間から罪人になることが宿命づけられた生命! なんて矛盾! ……面白いでしょ?

 
 この漫画、全12巻という長さではあるんですが、完全に短編のやり方で描かれてる感じがします。大きな物語として見た場合の完成度は正直言って低いと思う。急に話が飛んで、全然一定の流れでストーリーが進まない。でもそのぶんアイデアとスケールのでかさで補って、勢いで読ませてしまう。どちらかというと週間少年漫画のようなノリです。だから、まとめ読みするとめちゃくちゃ疲れる(笑)。でも、無節操に快楽の要素を詰め込みまくったような作品なので、上手く嗜好にはまると圧倒的に面白い! 合うか合わないかは1〜2巻程度読めば分かると思うので、試しに読んでみてはいかが?